「日本人は打たない」破天荒すぎた巨人助っ人 今は亡きドラマ…相手投手が語る“伝説”
「あの打球、西田は捕れました(笑)」…投げる敬遠には「ドラマがある」
金石氏の弁。「気の緩みは出ました。外したボールがちょっと甘かったですね。植田が構えた所より中に寄っちゃったから。クロマティの性格を考えれば、もう少し警戒すべきでした。日本の選手だったら、敬遠となったらもう打たない。最初から打ってやろうという気持ちがないと、飛び付いて打っていけません」。潔く巨人助っ人を褒めた。 仮にすんなり敬遠できて、原と向き合っていたならば。「巨人の4番ですからね。直前のバッターが敬遠された。心に火を点けちゃってますから……。クロマティに打たれて良かったのかもしれません。原さんを怒らせるよりは」。冗談を交えて想像する。 僚友の守備には“ツッコミ”を入れる。西田氏は、PL学園で同期の長い付き合い。「今でも言うんですよ。『あれは絶対に捕れた』って。西田の方は『いや、お前が打たれるからや』と。西田の性格からすると、敬遠のサインが出た時点で気持ちを切って集中してない。後で映像を見たら、アイツ、ぼーっとしてたので慌てて足が絡まってんだもん(笑)」。今では良き思い出? として、漫才のように語り合うという。 NPBでは2018年から「申告敬遠」が導入された。1球もボールを投げなくて、歩かせられる。「あの頃に申告敬遠があったらねぇ」と当時を顧みる。そんな悔しい場面を体感した金石氏だが、持論は違う。 「僕は申告敬遠がない方が好きなんですよ。やっぱり駆け引きがある。4球投げる内の1球、2球、3球というのは駆け引きだから。申告だとあっさり終わってしまう。ちゃんとボールを投げる方が面白い。敬遠のような緩いボールを投げるのが得意じゃないピッチャーもいますしね。本当にドラマがあるんですよ」
西村大輔 / Taisuke Nishimura