古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
■長く乗るほど愛着が湧き、味が出るクルマ
ここまで読んでもらえば、いかに私が新型ディフェンダーに惚れ込んでいるかわかってもらえると思うが、唯一、気になるのは全長5m、全幅2mに迫る巨大なサイズだ。 都内の移動が多く、しかもほとんどひとりかふたりで乗っている私の使用パターンからすると、あまりにもサイズが大きい。 最高の洋服を見つけたのにサイズが合わないようなもので、まさに忸怩たる思いだが、冷静に考えてみれば、それもしかたないことだとわかる。 つまり、大きさも魅力のひとつなのだ。合理的なサイズにした時にライバルの高級SUVに勝てるのか?ということだ。たとえ相手がロールスロイスやベントレーであっても、ことSUVでディフェンダーが位負けするわけにはいかないのだ。 最廉価グレードなら529万円という意外な安さのディフェンダーだが、それでも超高級ブランド相手に存在感で引けを取らないのが凄いところ。そのためには「大きさ」も必要ということなのだ。 今回試乗したのは4ドア、2Lガソリンターボエンジンの110だった。このエンジンが素晴らしく、ジェントルなのに踏めば300psが炸裂。力持ちだけど優しい理想的なエンジンで、このエンジンと古くて新しいデザインの組み合わせは最高である。 乗り味に高級感があり、フォーマルもアウトドアも似合う。もうひとつこのクルマの美点を言うと、長く乗れば乗るほど魅力が増してくるということだ。 買って5年目くらいで愛着が増し、10年目頃から味が出てきて、15年したら息子に譲りたくなる。そういうクルマは本当に珍しい。そこはほかの輸入高級SUVにはない、ディフェンダー独特の魅力だと断言できる。 百花繚乱のSUV界に真打ちが登場した。サイズが大きすぎるとか、自分の使用パターンでは無駄が多いとか、値引きはいくら期待できるのかとか、そんなシケたことを言っていないで、さらりと契約書にハンコを押す。そんな男に私はなりたい。 自分の器の小ささを思い知らされる今回の試乗でもあった。 (写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)