MT、塗装、ステアリング、エンジン、GT-R…… もの作り王国日本・日本車のこだわり15選(2013年版)【10年前の再録記事プレイバック】
■四輪操舵の進化でハンドリングの常識も変わる?
低ミュー路でもビックリするようなスタビリティを発揮してくれるP-AWS。こいつは凄いゾ! 1987年に3代目プレリュードで四輪操舵を市販化し、しばらくは進化させていたものの、とうの昔に四輪操舵をお蔵入りにしてしまったホンダだったが、次期レジェンドで四輪操舵を復活させる! プレシジョン・オールホイールステア(P-AWS)と呼ばれる新しい四輪操舵は通常の四輪操舵機能に加え、左右の後輪のトー(タイヤを上から見た角度、ハの字になっていればトーイン、その逆ならトーアウト)を独立してコントロールできる電動伸縮アームも備える。 簡単に言ってしまえば、オンザレールの軽快なハンドリングと高いスタビリティを両立するうえに、ハンドリングを決める際の最後の重要な味付けであるトーも変化できることで、セッティング幅も広がるという夢のようなシステムだ。 トーを変化できるだけに、もしかしたらスピード域によってトーも変え、トーでも燃費重視やスタビリティ重視といったセッティングができるのかもしれない。沈黙が長かっただけにこだわり方も猛烈だ! ●こだわり度=100
■レクサスはエンジンへのこだわりも桁違い
日本車のフラッグシップの1台であるレクサスLSのV8エンジンは、手組みでこそないものの、高い精度を得るため猛烈なこだわりを持ちながら丹精込めて生産されている。 その一例として挙げられるのがクランクシャフトやカムシャフトの鏡面仕上げだ。これは完全な回転バランス(≒スムースさ)を実現するためのもので、高度な生産技術を駆使しミクロン単位の精度で磨かれる。 さらに生産工程の最終段階では、専門の職人が「異音が出ていないか?」を聴診器!を当てて確認するという念の入れよう。もちろん自分のものにできる人はかぎられるが、これだけこだわったエンジンを味わえる人は幸せ者だ。 ●こだわり度=150
■CVTが2ペダルスポーツの主役に躍り出る?
動力伝達に金属ベルトを使うCVTは、高トルクを発生するエンジンとは組み合わせられないとされてきた。 その常識は日産がCVTと3.5L V6を組み合わせたことで覆したが、それでも最大トルクが40mを超えるエンジンに組み合わされるCVTは世になかった。 しかし、「今後の我が社の2ペダルミッションはCVT」と決めたスバルは、動力伝達に対応トルクの大きいチェーンを使うCVTを開発。チェーンの音対策なども苦心しながら、対応トルクも高め、ついに40.8kgmの最大トルクを持つレガシィの2L直噴ターボに搭載できるまでに熟成させた。 このCVTは次期WRX STIにも搭載される見込みだ。 ●こだわり度=130