安倍改造内閣は「5人」 女性閣僚の歴史と起用の狙いは?
「女性首相」の誕生は近い?
従来、女性国会議員が閣僚になるときは文部科学大臣(旧文部大臣、旧科学技術庁長官)、環境大臣(旧環境庁長官)などのポストに就くのが定番でした。それ以外のポストは、民間の専門家が多く登用されていたのです。 これが変化するのは90年代後半以降です。郵政大臣(野田聖子氏)、国土交通大臣(扇千景氏)、法務大臣(森山真弓氏、千葉景子氏)、外務大臣(田中真紀子氏、川口順子氏)、防衛大臣(小池百合子氏)といったように、これまで男性が占めていた比較的重要なポストに女性閣僚が就くケースが増えてきました。また少子化担当大臣、男女共同参画担当大臣、消費者担当大臣など、女性閣僚が積極的に登用されるポストもつくられるようになっています。 鈴木氏はこの点にも疑問を向けます。「まだ本当の意味での重要閣僚を任されているとはいえません。そもそも少子化担当大臣は女性、という発想自体がおかしい。型にはめてしまっている。だから、一番いいのは女性総理が誕生することです。平等な社会で、数もほぼ同じなら、2分の1の確率で女性が首相になっているはず。女性総理が誕生しない、ましてや女性の重要閣僚が登場しないということなら、まだまだ格好つけているだけです」 今回入閣した高市氏、小渕氏、また野田氏などはこれまでさまざまなポストを経験してきています。「未来の女性首相候補」というキャッチフレーズは、果たして本当に実現するのでしょうか。 (岩田智也/清談社)