人間関係は勝ち負けじゃない!「ゲーム理論」で読み解く《協力の方程式》…なぜウィン・ウィンな関係は難しいのか?
人間同士の相互作用
自分個人にとっての直接的な利益よりも、もっと大きな共通の利益を優先するとき、その行動は協力的とみなされる。ただしこれは、自己犠牲とは違う。全員が協力による恩恵を受けるのだから。だからこそ、ささいな事柄や誰かの衝動、あるいは短絡的な思考によって協力関係が築けなかったときには、強いイラ立ちが生じるのである。 協力行為は個人にとっては合理的に期待できる最大の利益を減らすが、互いにとっては有利な状況(ウィン・ウィンの状況)をもたらす。 これをゲーム理論では「ポジティブサムゲーム」と呼ぶ。 逆に、ポーカーのように、一方が勝つとき、もう一方が負ける関係は「ゼロサムゲーム」と呼ばれる。利益と損失を合計するとゼロになるからだ。 参加者全員が損をする場合は、「ネガティブサムゲーム」と呼ばれる。協力的なウィン・ウィン行動は誰にも損をさせない。 そのため、正義の重要な基準を満たしている。関係者の全員が正当化できる、という基準だ。 『「やるか、やられるか」の極限状態…自らの人生がかかった囚人のジレンマが暴く“合理的判断”の「最適解」』へ続く
ハンノ・ザウアー、長谷川 圭
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