「日本が変わるには中国に攻め込んでいただくのがいいが...」「将来アメリカは日本を見捨てる」“革命家”外山恒一による「絶望的な日本政治」への提案
「教養強化合宿」を開催する理由
“革命家”ならではの極論をかます外山氏だが、なぜ高円寺にバーを開いたのか。 「私の活動を支援したいという人が現れて、『金銭的な負担はするから、東京に拠点を出しませんか』と言われたんです。ただ私は普段福岡にいるので、東京に拠点を作りたい気持ちは前々からあるんだけど、常駐はできませんと言ったら、その後いろいろ話が展開しまして。 10年ほど前から、年に何回か福岡の本拠に20歳前後の学生を集めて、『教養強化合宿』というのを開催していて、その出身者が現在もう400人を超えています。うち半数以上が実は首都圏の学生なんです。だからそこから7、8人を選抜して、拠点的な飲み屋をオープンさせた上で日替わりでバーテンを務めてもらうという方針に決まりました。 『教養強化合宿』は、政治的な運動や思想に関心のある若者たちに、だったらこれぐらいのことは踏まえておけよ、という前提知識を提供する試みで、参加費・食費・宿泊費は無料、必要なのは福岡までの往復交通費と高い志のみ、という合宿です。 私の若い頃はまだ、口うるさい先輩たちがパワハラ的に後輩たちの無知を責め立てたり、露骨にバカにして危機感を植えつけてきたものですが、今の若者たちにはそういう環境がないので、知的な危機感や飢餓感がなく、本当にものを知りません。 マルクス主義や左翼運動史の概要は、べつに左右の政治活動家になるのでなくても、とくに人文系の学生なら必ず押さえておかなければ話にならんはずのものです。それを、教養はないけど志だけは高い若者たちを集めて、10日間で詰め込み教育してるんです。 ところが、私のもとで10日間みっちり勉強すると、みんな勉強が好きになって、ますます勉強にのめり込んでいってしまうという傾向が見られます。学生たちの向学心をうまく刺激できずにいる大半の大学のセンセイたちには感謝してもらいたいところですね。 べつに政治活動家を育成するためにやってる合宿ではなく、研究者や表現者を目指してる学生や、単に今後ものを考えていくための糧にしたいって動機で参加する学生が多いのは想定内なんですが、少しは政治的な実践に踏み出す人も出てほしいんで、ちょっと残念ではあります。勉強に費やす時間を大幅に短縮してあげるための詰め込み教育なのに……。 とはいえ、全国の大学に広がりつつある『だめライフ愛好会』(『だめがだめでいられる場所』をコンセプトに、2022年11月から活動しているサークル)という団体の3割ぐらいはうちの合宿出身者が占めているようだし、東大や明治大その他の『立て看同好会』も大体合宿出身者がやってるようです。 何年か前から毎年開催されている『学生メーデー』のコア部分にも今や合宿出身者が多いらしい。もちろん右翼方面にもチラホラと合宿出身者は浸透してます。『勉強』方面では、新進の批評家としてすでに大小の活字メディアに登場し始めてる人も数名いますし、演劇や音楽の方面で盛んに活動してる人たちもいますね」