「本当に祈りながら彫らしてもらう」 94歳の木彫り仏像職人 心の平和を願い、きょうも仏像と向き合う
漆器から仏像へ作品が変わったきっかけは、偶然テレビでみた仏師の言葉でした。 木彫り像職人 小川美代子さん: 「なにげなくテレビを見ていたら、仏師の人が出ていた。その人の言葉に衝撃を受けた」 「木の中に仏様がいる、私は周りの木くずを払うだけだとおっしゃった。中から仏さまがでてきてくださると。ものすごく感銘した」 そこで40代後半から大仏師・松久朋琳の門下・小野直子さんの元で仏像彫刻を本格的に習い始めたのです。 当時、小川さんは人間関係で悩みを抱え、仏像を彫ることが心の救いになっていたと振り返ります。 木彫り像職人 小川美代子さん: 「本当に祈りながら彫らしてもらうので、過去に何があろうと忘れなさいといってくれる」 現在、小川さんが制作した仏像彫刻の一部は北杜市大泉町のギャラリーで展示されています。 小川さんはギャラリーで知り合った男性が娘の病気で落ち込んでいることを知ると、男性のために1体の地蔵を制作し、男性はその心遣いに救われたと話します。 小川さんから地蔵一体を譲り受けた 澤海由光さん: 「色々悩んでいる時も明るく接してもらい心が軽くなった。本当に助けてもらっていると感じる」 心の平和を願い、彫り続ける94歳の小川美代子さん。 きょうも仏像と向き合います。 木彫り像職人 小川美代子さん: 「自分の経験から、どんな試練があっても過ぎていく、いい日が待っているので、安らぎを持ってくれたらと心の中でいつも思っている」
テレビ山梨