優勝は藤枝東か、静岡学園か…静岡県高校総体サッカー決勝は2日開催
藤枝東の6年ぶりVか、静岡学園の2連覇か。静岡県高校総体サッカーの決勝戦が2日、エコパスタジアムで午後1時から行われる。静岡支局アマチュアサッカー担当記者が「里見が見た」と題して、両校のキーマンをピックアップ。藤枝東は4月以降の公式戦計9試合で16ゴールを挙げているFW湯山大輔(3年)に注目。静学は高速ドリブラーのMF加藤佑基(3年)が攻撃を引っ張る。(里見 祐司) 飛び抜けた数字は残していないが、静学攻撃陣では加藤に注目だ。チームで一番勢いに乗っている身長169センチのアタッカー。スピードに乗ったドリブルで相手DFを置き去りにして、一気にゴールへ突き進む。 プレミアリーグWESTでは4月の開幕戦こそベンチ外だったが、第2節・神戸戦で左サイドハーフ(SH)として途中出場。ドリブルで仕掛けて攻撃を活性化させると、翌週の名古屋戦で先発し、チームの初ゴールを記録した。優勝した昨秋の県選手権時はCチームにおり、スタンドで応援。1月の新人戦でやっとトップに昇格しただけに、「試合に出たら結果を出さないと」とハングリー精神に満ちている。 今大会は初戦(準々決勝)でFWを務めて1得点。準決勝は左SHで何度もゴールに迫った。「右もできるんです。いいパフォーマンスを見せてくれた。自信を持ってプレーしている」と川口修監督(50)の期待も高い。 中学時代は奈良YMCAでプレー。2019年度全国高校選手権優勝メンバー、DF田辺秀斗(現川崎)の後輩にあたる。「自分の持ち味のドリブルをもっと磨きたい」と静学への進学を決めた。「まだ点を取り切る力が足りない」と反省を忘れず、決勝でゴールを奪って全国切符をつかみ取る。 まさにエースだ。藤枝東の湯山が絶好調をキープしている。プリンスリーグは富士市立との開幕戦で4ゴールを奪うなど、計5試合で11得点。県総体では準々決勝までの3試合で5ゴールを挙げた。175センチと高さはないが、最前線でボールを収めて攻撃をリード。「みんなが自分にパスを集めてくれているので点が取れている」と、仲間のサポートに感謝した。 26日の聖隷クリストファーとの準決勝では、悔しい思いもした。チームはMF泉孝太郎(2年)の2得点で0―2から追いつき、後半終了間際にPKを得た。だが、湯山はポスト左に外してしまった。決めていれば公式戦9試合連続ゴールで試合も終わっていた。 それでも、直後のPK戦では1番手のキッカーを担当。「ここで弱気になってはいけないと思った。自信があった」。きっちりと左隅にゴールを決めた。その後は「祈るしかなかった」。計22人が蹴り合う激闘の末に勝利をつかみ、GK宮崎真心(しんご、2年)に真っ先に抱きついた。 静岡市出身で、清水エスパルスジュニアユースから進学。準優勝だった昨秋の県選手権でもレギュラーを務め、静学・高田優(現徳島)らとともに得点王に輝いた。1―2で敗れたそのファイナル以来の静学戦。「結果を残して全国の舞台に立ちたい」と雪辱に燃えている。
報知新聞社