なぜホンダCBR400Fは再注目されたのか? 新車当時53万9000円だった車両は今……
1970年~80年代に発売された国産旧車が、“絶版車”と呼ばれ人気だ。当時憧れていた世代はもちろんのこと、今どきのヤングライダーたちも“カッコいい!” と、注目する絶版旧車の魅力を、ダンス&ヴォーカルグループlol(エルオーエル)メンバーの佐藤友祐と元バイク雑誌編集長・カワニシが語り合う。最後は映画に登場したことでカリスマ的な人気を集めたホンダ「CBR400F」に注目! 【写真を見る】極上のホンダCBR400Fが凄すぎた!!!(15枚)
レーサーレプリカへの過渡期に登場
河西啓介(以下、カワニシ):佐藤友祐さんと70~80年代絶版旧車の魅力を探るというこの企画、4台目は80年代バイクブーム真っ只中に登場したホンダCBR400Fです。ところで友祐くんは、80年代にバイクブームが起きたことは知っていますか? 佐藤友祐(以下、佐藤):僕は96年生まれなので、生まれたときにはバイクブームが終わっていましたから、知らないんです。でも「すごかったんだよ!」という話は聞きますね。 河西:僕は67年生まれで、16歳でバイク免許を取ったのは83年だからブーム直撃世代なんです。バイク雑誌が電話帳みたいに分厚くて、友だちもみんなバイクに乗っていたなあ。 佐藤:なんで80年代にそんなバイクブームが起こったんですか? 河西:主婦層にスクーターが流行ったほか、二輪レース人気が盛り上がったり、いろんなことが重なった結果なんだけど、ハードウェアで言えば、前回紹介したヤマハ「RZ250」が、80年に登場したことが大きなきっかけになったのは確かですね。ヤマハのレーサー「TZ250」の技術が注がれた画期的なスポーツバイク、RZが登場して大人気になった。そして82年にRZと同じ35psを発揮するホンダ「VT250F」で追随し、83年にスズキがフルカウルを纏ったレーサーレプリカの元祖となる「RG250Γ(ガンマ)」を登場させ……と、国内4メーカーを巻き込んだ開発合戦が繰り広げられたんです。 佐藤:その熱量があったから、いまも人気のある名車がたくさん生まれたんですね。できればその時代を体験してみたかったなあ。 河西:アツい時代でした。最近では80年代のシティポップスが流行ったり、音楽やファッションなどでも80年代カルチャーが若い人に注目されたりしていますよね。このCBR400Fは83年、レーサーレプリカが全盛になるちょっと前に登場したので、全体にそんな“過渡期”の感じがあるのが面白いんです。 佐藤:ライトもお尻も四角くて、カクカクした感じがかわいいですよね。粗削りな感じというか。