【図鑑編集者に聞く】大人もハマるメダカ!図鑑NEO「メダカ・金魚・熱帯魚」発売、飼育のコツや人気の背景は?
メダカを通じて開かれる「自然科学」の扉
―メダカの飼育を通じて、子どもはどんなことが学べると思いますか? 草柳さん:メダカは研究の世界でも大活躍しています。生物学の研究では、よく実験などに用いられる生物がいます。メダカは「体が観察しやすい」「小さな設備でも飼いやすい」「繁殖サイクルが早い」など、研究に向いた特徴を持っているので、生物学の世界で重宝されています。 小学校の理科で必ず習うのも、そのためなのではないでしょうか。家で飼っていても、先ほどの水温ももちろんですが、どんな親からどんな子が生まれてくるとか、どんな飼い方をしたらたくさん卵を産むかなど、さまざまな発見があると思います。 ―図鑑NEO『メダカ・金魚・熱帯魚』は、メダカの産卵・繁殖の解説の後に、放流の問題も解説されており、よく練られた構成だと感じました。 草柳さん:メダカの世界は、環境問題や生物多様性の問題とも地続きです。図鑑では、メダカの種類、飼育、産卵後の稚魚の育て方はもちろんですが、飼育魚を放流してしまった場合の自然環境への影響も取り上げ、読者の多角的な視点を養うような構成を心がけました。 とくにメダカのような淡水魚は、川や地域ごとに遺伝子が異なります。 繁殖して飼育しきれなくなったからといってむやみに放流すると、生態系に大きな影響を与えかねません。メダカの飼育が流行っているので、こうした問題も踏まえながら飼育を楽しんでほしいと思います。 ―メダカの飼育を通じて見えてくることがたくさんありそうですね。 草柳さん:メダカを飼ってみると、図鑑のようにうまくいかないこともあるかもしれません。でも、実際に飼うことで、いろいろな発見があって、親子で楽しめると思います。 図鑑の中には、夏休みの自由研究のテーマにつながることもたくさん散りばめてあります。興味のある方は、ぜひ活用してほしいと思います。 撮影/田中麻以(小学館)
『小学館の図鑑NEO メダカ・金魚・熱帯魚』<DVDつき>(2,640円・税込、2024年6月25日発売) 本来の色にこだわった美しい写真が満載。動画でもいろいろな飼育テクニックを学べる観賞魚図鑑の決定版! おうちで飼える魚が約650種類掲載。 ドラえもんと一緒に学べるスペシャル特典DVDは、「水槽内の水を全部は換えないほうがよい理由は?」「えさやりの量と頻度はどれくらい?」といった、飼育の基本を教えてくれる75分。
北川和子