なぜパリ五輪のメダリストたちは授与式でメダルを噛んだのか…素朴な疑問の理由とは?
パリ五輪が閉幕してメダリストたちが凱旋帰国を始めた。日本は金20個、銀12個、銅13個の海外で開催された五輪では、過去最多のメダルを獲得し、金メダルの獲得ランキングで米国、中国に次ぐ3位に食い込んだ。その45回あった晴れのメダル授与式で、何度か見かけたのが、写真撮影時にメダルを噛むシーンだ。なぜ五輪メダリストはメダルを噛むのだろうか。 【衝撃映像】パリ五輪の男子棒高跳びで起きた“とんでも”ハプニングがSNSで世界中に拡散
メダリストの恒例シーン。女子やり投げで、日本の女子投てき選手とし初の金メダルを獲得した北口榛花も、最終日にレスリングの女子最重量級で、日本人として初の歴史的な金メダルを獲得した鏡優翔もメダル授与式でメダルを噛むポーズで写真撮影に応じた。日本人メダリストだけではない。海外のメダリストも写真撮影時にメダルを噛む。性別騒動に巻き込まれた女子ボクシングの57キロ級金メダリストのリン・ユーチン(台湾)も、他の3人のメダリストと共にメダルを噛むポーズで表彰台の上で写真に収まっていた。 なぜ五輪のメダリストはメダルを噛むのか。 ロンドン五輪のボクシングミドル級の金メダリストで、元WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太氏は、以前、「お決まりのポーズですよね。カメラマンさんが“噛んで”とリクエストしてくるんですよ。こっちは、テンションが高まっているんで、なんでも応じますよね」という話をしていた。 米紙「USAトゥディ」が、ズバリ「なぜ五輪選手はメダルの噛むのか?」のタイトルをつけた検証記事を掲載した。 同紙によると、そもそも歴史的には、金を噛む行為は、金の真贋を確かめるための行為だったという。 「トレーダーがコインのような金片を噛み、そのかじりが軟質金属に特徴である“へこみ”が出た場合、それは本物。そうでない場合は、他の種類の金属が不正に金として渡された可能性があった」という。 「だが、オリンピックチャンピオンにはそのような心配はない」と同紙は続けた。 五輪では、純金メダルが授与されていた時代があったそうだが、IOC(国際オリンピック委員会)は、1912年に純金メダルの授与を禁止し、現在、メダルの製造とデザインについては、こう規約を設けている。 「金メダルは、素材を純度92.5%以上の銀で製造して6グラム以上の純金メッキがされていること、銀メダルは、純度92.5%以上の銀製、銅メダルは、青銅、銅、別の金属(錫や亜鉛など)による合金で製造されていること」 パリ五輪では、そのメダルの品質に疑問が投げかけられた。スケートボードの男子ストリートの米国代表の銅メダリストが「高品質ではない」と劣化したメダルの画像を投稿。デンマークのバドミントン男子シングルスで東京、パリ五輪と連覇した金メダリストは、両大会の金メダルを比較する動画を投稿した。3年が経過した東京五輪のメダルは、今なお、黄金の輝きをキープしているが、パリ五輪のメダルは、6日経過しただけで、日に焼けたみたいに変色してしまっていた。本当に規約通りに6グラム以上の純金メッキが施されているかどうか疑わしいが、今の時代に噛んで真贋を確かめたわけではないだろう。
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