アスリートの分岐点!【テーブス海】悔しい敗戦から理想の選手像が明確に!
アルバルク東京の新戦力として、レギュラーシーズン60試合、CSの3試合すべてに先発出場したテーブス海。ステップアップし続ける若きポイントガードが、悔しさの中で大切なものを掴んだ一戦について語る。
2024年5月13日 日本生命Bリーグ クォーターファイナル GAME3
強豪アルバルク東京の先発ポイントガードとして、シーズンを通してコートに立ったテーブス海。移籍初年度ながら新戦力としてフィットし、レギュラーシーズンにおけるBリーグチーム最多勝利(48勝12敗)を記録したアルバルク東京の強さに貢献した。 そんなテーブスが分岐点として語ってくれた試合は、今シーズンのBリーグチャンピオンシップ(以下CS)におけるクォーターファイナルのGAME3。リーグ戦4位でCS進出を決めたアルバルク東京は、このクォーターファイナルで昨シーズン王者の琉球ゴールデンキングスと激突。初戦のGAME1を琉球、2戦めのGAME2を東京がそれぞれ制し、両チームが一勝一敗となった勝負の行方は、テーブスが分岐点として選んだこのGAME3に持ち越されることになった。 勝利したチームがセミファイナル進出の切符を掴むことになった一戦は、序盤から両者とも譲らない状態が続き、どちらかがリードすれば相手もやり返す一進一退の攻防が続く展開に。最終的に第4クォーター終盤で4点差を追いかけることになった東京は、小酒部泰暉がファウルを受けながら3ポイントを沈める執念のプレイで同点に追いつくが、その後相手にフリースロー1本を沈められてしまうことに。わずか1点差で、CS敗退となった。 「3試合ともものすごくタフな戦いで、チームとして最後の最後まで全力で戦いました。その最後の戦いとなったGAME3で自分たちが目指しているところには届きませんでしたが、これまで体験したことがなかった悔しさも含め、これからに繋がる原動力となる試合になったことは間違いありません。それと当時に、自分が目指すべき選手像がはっきりとわかった試合でもあります。試合の中でも鮮明に記憶に残っているのは、第4クォーターの最後に1点を追う残り22秒からのオフェンスで、僕とロシター(ライアン・ロシター)でピック・アンド・ロールを仕掛けたシーン。僕がロシターにポケットパスを出して、それを受けたロシターが得意のフローターシュートを打った場面です。残念ながらシュートは外れてしまいましたが、シーズン最後の最も重要な試合の重要な場面でああやって仕掛けていく判断ができたことは、ポイントガードとしての成長を表すもの。これからさらに成長していくうえで、重要な意味をもつ選択だったと思います。もし、来シーズン同じ場面になってもこのプレイを選択すると思いますし、こういったプレイをもっと極めていきたいです」 プレイする際の状態としても、自分が理想とするところに持っていけたという。 「バスケ選手としてだけでなく、アスリートとして一番理想的な状態は、無になっている状態。試合の流れや戦術、メンタル面のプレッシャーなど、考えるべきことはたくさんありますが、一番うまくいくときはいい意味でなにも考えず、無になれているときではないでしょうか。本能に任せてプレイしていて、身体が自然に最良の選択をしながら動いていく。そういった状態だといいパフォーマンスが出るし、気持ちよくプレイできる。先ほど話した終盤のプレイは結果として得点にはなりませんでしたが、間違いなく無になれていた状態での選択です。試合の最も重要な場面で考えすぎず、無になることができていたということもひとつの大きな成長でした。2、3年前の自分だったら、あの場面で間違いなく動揺していたと思いますし、考えすぎて空回りしていたのではないかと思います」 来シーズンに向けて動きはじめたアルバルク東京は、小酒部泰暉とともにクラブの将来を担う“98年組”としてテーブスとの継続契約を発表。来期も強豪のメインガードを担うことになりそうだ。 「残念ながら今期はクォーターファイナルで終わってしまいましたが、レギュラーシーズンのクラブ歴代最高勝率を達成できたことはプラスとしてとらえるべきこと。また、負けてはしまったものの、昨シーズンの王者と第3戦の最後までわからない状況に持ち込むところまで戦えたのは、間違いなくチームの成長です。来シーズンは、僕だけでなくチーム全員がたどりつけなかった優勝を目指してリベンジする思いで戦っていくと思います。ポイントガードとして戦ううえで様々な選択肢がありますが、どの選択肢が必要になってもしっかりと応えられるガードになることが理想であり、自分のスタイルにも合っています。その役割をまっとうして、チームに大きな勝利を届ける姿をコートの上で見せていきたい」