大雄山線が無線式列車制御システムCBTC導入へ 年間1千万円の削減期待
伊豆箱根鉄道(静岡県)は2031年度を目途に、無線機の通信で列車の位置を確認し、列車同士の衝突を回避する「無線式列車制御システム(CBTC)」を大雄山線に導入する。従来のシステムより設備更新や日々の保守点検にかかる費用年間1千万円超の削減が期待できるという。 【写真で見る】大雄山線大雄山駅構内に設置された地上無線機アンテナ CBTCは車両や駅構内に無線機アンテナを設置し、列車の位置情報を無線で送受信する仕組み。日本信号(東京都千代田区)が国土交通省の「鉄道技術開発・普及促進制度」を活用して開発を進め、同鉄道とともに大雄山線での走行試験を行っている。 同鉄道などによると、日本の鉄道業界では電流をレールに流して列車の位置を把握する「軌道回路」による情報伝達システムが普及している。大雄山線でも1970年ごろから運用しているが、新システム移行で線路上や駅構内にある軌道回路装置を減らして経費削減につなげる。今後は運行ダイヤを維持しつつ車両改修や走行試験による安全性の検証を行っていくという。
神奈川新聞社