中国当局が台湾本島から約120キロの牛山島の沿海で「実弾射撃」を予告
【北京=三塚聖平】中国福建省の平潭海事局は、同省牛山島の沿海で実弾射撃を行うとして22日午前9時から午後1時まで船舶の進入禁止海域を設けた。中国メディアが21日夜に伝えた。中国人民解放軍は今月14日に台湾を取り囲む形の海空域で軍事演習を行っており、台湾海峡で軍事的な緊張が高まっている。 【写真】核ミサイル部隊を管轄するロケット軍の旅団基地を視察する中国の習近平国家主席 実弾射撃の詳細については触れていない。台湾メディアによると、牛山島は台湾本島までの直線距離が120キロに満たないという。 台湾海峡を巡っては、米海軍第7艦隊が20日、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦ヒギンズとカナダ海軍のフリゲート艦バンクーバーが台湾海峡を現地時間20日に通過したと発表している。中国軍で台湾方面を管轄する東部戦区は「台湾海峡の平和と安定を破壊している」と反発しており、実弾演習は米国とカナダに対する対抗措置の一環である可能性もある。 中国の習近平国家主席は17日、中国人民解放軍で戦略ミサイルを運用するロケット軍の拠点を視察し、核兵器を含む「戦略的抑止力」と「実戦能力」の向上を指示している。