執拗に締め上げて失神KO 狂気の“追い”スリーパーにはブーイングも
【WWE】RAW(7月29日・日本時間30日/ミネソタ・セントポール) “地味ツヨ”レスラーが、いぶし銀の”スリーパー地獄”で対戦相手を失神させる珍事。とにかくねちっこくスリーパーで締め上げる予想外の結末に反響が相次いだ。 【映像】衝撃の失神KO グンターとフィン・ベイラーがシングルで対戦。日本のファンの間ではその激渋ファイトから“一人全日本”や”田上明の再来”などツウを唸らせるグンターがドミネート。フィニッシュ技は何とも地味すぎる「スリーパーホールド(裸絞)」だった。 グンターとフィン、ともに日本マットに縁の選手による「RAW」メインイベント。ファンからは「(グンターは)大日本からよくぞここまで」など愛着を込めた声が多数並んだ。 開始からフィンがヘッドロックや掟破りに逆水平をみせると、グンターは受けて鼓舞してからの平手一発返し。初手の攻防から「日本っぽい絡み」「日本のプロレスっぽい」「チョップ多用の日本式」の声。その後も、ボストンクラブ、逆水平、エルボーなど無骨なファイトが展開された。 試合中盤は小柄なフィンがスピードや切り返しの瞬発力でグンターを追い詰めるシーンが目立ったが、グンターがリング中央でスリーパーホールドを決めると一気にペースを握られる。一度は振りほどいても、再びスリーパーの無限地獄へ…。 そしてチョップやアッパーカットなど既視感あるスタイルが延々と続くと解説が「日本ツアーを2人通り抜けて来たから日本式になってますよね」とコメント。その矢先、フィンが「スリングブレイド」を炸裂させる。 試合は後半、フィンが放った必殺の「クー・デ・グラ」をグンターが返し、再び「スリーパーホールド」地獄へ。解説が「グンターはスリーパーにこだわりますね」と話せば、実況の清野茂樹アナウンサーも「セントポールというのも意識しているのでしょうか。バーン・ガニアの得意技スリーパーホールドを見舞っています」とオールドファンが飛びつきそうな解説を披露した。 「ミネソタといえばバーン・ガニア」と紹介されたとおり、この日RAWが開催されたミネソタ州は、かつての“世界三大タイトル”の一つAWAの本拠地としてオールドファンには知られており、スリーパーホールドはAWA世界王座10度戴冠の”帝王”ことバーン・ガニアの得意技だ。 この日のグンターは執拗に「スリーパーホールド」でフィンを締め上げると、最後はガッチリボディシザースで失神に追い込んで勝利。プロレスの歴史を踏まえつつ”聖地”でスリーパーにこだわったグンターは試合後、よせばいいのに“追い”スリーパーで狂気をアピールし続けた。 派手なフィニッシュが売りのWWEにあって“スリーパーで失神KO”というじつに味わい深い展開に、モダンさを求める会場からは大ブーイング。それでも日本のファンからはグンターの無骨な戦いに「メインとは思えぬ地味決着」「ねちっこいなw」「王道継承」「良くも悪くもWWEぽくない」と熱烈な応援メッセージが相次いだ。(ABEMA/WWE『RAW』)
ABEMA TIMES編集部