「感謝と謙虚さを胸に刻み、一からやり直す」再選の斎藤氏、就任式で職員に協力呼びかけ
17日投開票の兵庫県知事選で再選された斎藤元彦氏が19日、選挙後初めて県庁に登庁して当選証書を受け取り、2期目の斎藤県政がスタートした。県庁の中庭で行われた就任式には大勢の県職員に加えて支持者ら数十人が集まり、斎藤氏を拍手で出迎え。斎藤氏は「皆さんへの感謝の気持ち、そして謙虚さをもう一度心に刻んで、一からやり直し頑張っていきたい」と述べた。 【写真】やまない斎藤コール。大歓声の事務所前で喜びあう支援者ら この日午前11時過ぎ、紺のスーツに青のネクタイを身につけた斎藤氏は、深々と頭を下げて就任式に登場。職員を代表し、服部洋平副知事が「知事が不在の約50日間はわれわれ職員にとって、県政との向き合い方を見つめなおす貴重な機会となった。必要な施策や対策を職員一人一人が自ら考え日々の業務に当たる、そんな組織風土を作っていく」と述べ、「知事が目指す県政改革をしっかり支えていく」とあいさつした。 これに対し、斎藤氏は「文書問題をはじめ、県民と関係者に不安を与えたことを改めておわび申し上げたい」「多くの県職員にも心配をかけて大変申し訳ない」と述べ、「県庁職員を含めた関係者の支えとサポートがあって仕事ができるということを深く心に刻み、丁寧に対話を尽くす」と誓った。 その上で、「ネット上ではかなり厳しい県職員の皆さんへの指摘もあったということだが、まじめに一生懸命、県民のためにやっているということを、多くの皆さんにもご理解いただきたい」と強調。県職員に向け、「生まれ変わってスタートする気持ちだが、至らないところがあれば『斎藤知事はもう少しこうしたほうがいい』という声も届けてほしい。真摯(しんし)に耳を傾けてもっといい県政をするための糧とする」とした。 ■県議会にはノーサイド宣言 また、9月に全会一致で不信任決議を可決した県議会については「しっかり対話を重ねながら取り組みを一緒になってやっていく。選挙も終わったので、一つのチームでやっていく」と述べ、「みんなで一緒にもう一度頑張っていきましょう」と呼びかけた。 斎藤氏は9月、自身のパワハラ疑惑などが告発された文書を巡る対応などで、県議会から全会一致で不信任決議を受けて失職した。3年前の前回選とは異なり、政党からの支援を受けない中で出直し選挙に立候補し、前回を大きく上回る得票数で再選を果たした。
告発文書を巡っては、県議会の調査特別委員会(百条委員会)による検証が続いており、百条委は18日、斎藤氏の証人尋問を25日に行う方針を決めた。斎藤氏への証人尋問は9月6日以来で、文書に記載されたパワハラ疑惑など7項目を総括的に調査する。