シアーシャ・ローナン、女性が暴力の恐怖に晒されていることを指摘 「携帯を武器にする」ことを冗談にした男性セレブたちを黙らせる
『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』などグレタ・ガーウィグとのタッグで知られる俳優のシアーシャ・ローナン。トーク番組での発言が女性たちの支持を得ている。 【写真】リメイク版『若草物語』主演女優、シアーシャ・ローナンの抜け感ヘアスタイル変遷
最近テレビ番組「グラハム・ノートン・ショー」に出演したローナン。この番組は毎回複数のゲストが登場して、それぞれの近況や新作に関する話を交えつつおしゃべりするというスタイルで進む。この日の他のゲストはデンゼル・ワシントンとポール・メスカル、エディ・レッドメインという男性セレブ3人だった。
レッドメインは新作ドラマ『The Day Of The Jackal(原題)』の撮影エピソードを披露。この作品でレッドメインは冷酷な殺し屋を演じているが、撮影前のトレーニング中に「攻撃されたときどうやって携帯電話で反撃するかを教えてもらった」という。それを冗談めかして話すとメスカルは「現実にそんなこと考える人がいるかな? 実際、誰かに襲われたとしても電話を使おうとは考えないよ」。司会のノートンも笑いながらズボンや上着のポケットを叩き、携帯電話を探すふりをしてみせた。メスカルは携帯電話を耳に当てるジェスチャーをし、電話の向こうの人に「ちょっと待ってて」と言ってから携帯電話で目の前の攻撃者を殴るふりをした。おどけるメスカルに男性セレブたちは笑い、レッドメインは「それはいい指摘だね」と答えていた。そんな中、声を上げたのはローナン。何度か男性たちの声に打ち消されてしまった後、大きな声で「女の子はいつもそういうことを考えなくてはいけない」と発言した。一瞬黙ってしまった男性たちをよそに、ローナンは「女性たち、そうでしょ?」と観客に問いかけた。観客席からは大きな拍手が起きた。
ローナンの一言にはSNSからも称賛の声が上がっている。「彼女は女性たちが日常的に感じている恐怖を指摘してくれた」「男性セレブたちはそれにまったく気がついていなかったことがわかった」という書き込みが浮上している。性暴力の撲滅を目指す活動家のマデレーン・ブラックは新聞「デイリーメール」に対して「私たち女性たちは恐怖を感じるのが日常になっている。家までどうやって帰ろう? 安全だろうか? と考えている。それをわざわざ思い出させなくてはいけないことが残念だ」とコメントしている。
「男性たちが沈黙したことは彼らがどうしたらいいのかわからなかったことを示している。彼らは居心地が悪そうだったし、そうあるべきだと思う。それが女性にとっての真実なのだから」。ブラックは13歳のときに性的暴行を受け、その経験を本に綴っている。「男性が性暴力を冗談にすると、性暴力が持つ衝撃が弱まると思う。女性が日常的に直面しなくてはいけないことから深刻さを奪う。冗談が性暴力の衝撃を無力化してしまう」。トーク番組の“冗談”から、彼らに見えていないものが改めて明らかになったといえそう。