3~5年で転職がシリコンバレー流 。1社に留まり続けるリスクを認識せよ
「捨てられにくい人材」になるための近道
ここまでしつこく「シリコンバレー流」の転職についてお伝えしてきましたが、私自身、シリコンバレーの人々のようにキャリアを形成してきたわけではありません。 新卒で三菱商事に入り、一度サンリオに転職して、辞めたあとは自由に働いているというだけです。 日本でも、外資系企業を渡り歩いてキャリアを積む人もたくさんいますから、そういった方々と比べれば「普通の日本のサラリーマン」寄りではないかと思います。 また、有り体(てい)にいえば、サンリオはクビになったも同然でした。「骨を埋めるつもりだった会社に捨てられる」という経験もしたわけです。 そのような経験もしたからこそ、私は日本でもシリコンバレー流に転職し、エクスペリエンスとラーニングによる「学び」を重ねて成長していくようなキャリア形成をすすめたいのです。 現実的な問題として、早期退職やリストラが当たり前に実施される昨今、さまざまな経験を積んでスキルセットを厚くしておくことは「捨てられにくい人材」になるための近道です。 「自分が会社に捨てられるようなことは絶対にない」と思っている方もいるかもしれませんが、仕事ができるかどうかにかかわらず、たとえば上司になった人との折り合いが悪いといった理由で会社に居場所がなくなるケースもあります。 20代から40年以上にわたって仕事をしていく中では、「今の仕事を続けたくても続けられない事情」が出てくる可能性は決して低くありません。 日本においても、1社だけで働き続けるようなキャリアの積み方はリスクが高く、合理性がないといっていいでしょう。