オーディションを勝ち抜いた17LIVEの音楽ライバーが躍動! 『GFEST.2024』レポート
2024年10月12日(土)、13日(日)、音楽イベント 『GFEST.2024』(ジーフェス)がGメッセ群馬にて開催された。株式会社スペースシャワーネットワークが企画する同イベントは、「音楽のある街」というキャッチコピーを掲げて音楽活動を推進している群馬県の完全サポートのもとで行われるもの。初開催となった昨年の成功を受け、今年は2日間に規模を拡大。また、今回から2ステージ制となり、計30組のアーティストが群馬に集結した。 【写真】『GFEST.2024』に出演したWurtSやストレイテナーら さらに今年は、「17LIVE」とのコラボレーション企画として、新設された2つ目のステージである「FRONTIER STAGE」への出演をかけたオーディションが事前に開催され、勝ち抜いた4組のライバー(DaikiYamanaka/鈴木りゅうじ with S.Dragon-Er/前田和花/ALLIE)が 『GFEST.』への出演を果たした。この記事では、その4組を含むいくつかのアクトの模様をレポートしていく。 【10/12(土)】 ・WurtS 1曲目「エヴォリューション」が始まるのと同時に力強く拳を突き上げ、自身にとって2度目となる『GFEST.』のステージの熱き口火を切ったWurtS。表情こそ見えないが、その佇まいや所作から並々ならぬ熱い気概が伝わってくる。その後の「Talking Box (Dirty Pop Remix)」も「リトルダンサー」も凄まじい盛り上がりで、その光景はまさに、今WurtSが集める注目、背負う期待の大きさの証左であるように思う。渋滞によって会場入りがギリギリになってしまったとのことだが、観客の熱狂を受けてスイッチが入ったと語り、そして、「SWAM」「NERVEs」を次々とドロップしながら、会場全体を巨大なダンスフロアへと変えていく。 終盤では、彼が「今年のハイライト的な曲」と紹介した最新曲のひとつ「NOISE」を披露。蒼い衝動を燃やしながら、未だ見ぬ未来へ向けてパワフルに突き進む渾身のギターロックに強く心を動かされた。ラストは、壮大な大合唱を巻き起こしてみせたライブアンセム「分かってないよ」で熱烈な大団円。 ・UNISON SQUARE GARDEN SEが止むのと同時に、間髪入れずに「Invisible Sensation」へ突入。そして、曲終わり、「UNISON SQUARE GARDENです。」という簡単な挨拶を挟み、「kid,I like quartets」へ。そのままシームレスに「オリオンをなぞる」へとつなぐ。開幕早々フルスロットルだ。三者三様の個性が激烈にぶつかり合いながら、同時に、美しく調和していく。そうした三位一体の強靭にして豊かなバンドアンサンブルに、改めて痺れた。そして、最新曲「傍若のカリスマ」をライブ初披露するという嬉しいサプライズを投下。果敢にエッジを攻め込んでいくスリリングな展開、ダイナミックに躍動する狂騒的なバンドサウンド、そして、混沌のなかを迷いなく突き抜けるように響く斎藤宏介の歌。それらが渾然一体となったときに生まれる熱烈なエネルギーは凄まじく、今回のライブにおける屈指のハイライトとなった。ラストは、多くの観客が待ち望んでいたであろう至高のロックアンセム「シュガーソングとビターステップ」で鮮やかな幕締め。 ・DaikiYamanaka(『17LIVE × GFEST.2024 出演オーディション』入賞者) 1曲目は、今回のフェスの「FRONTIER STAGE」への出演をかけた『17LIVE × GFEST.2024 出演オーディション』を勝ち抜いた楽曲「Moment」。切実な響きを放つ懸命な歌声が会場に広がり、少しずつステージに人が集まってくる。続けて、2曲目「slowdown」へ。はじめこそ緊張しているように見えたが、このあたりから徐々に自分のペースを掴み始めたのか、広い会場を見渡しながら堂々と歌う姿を見せるようになった。MCパートでは、「がんばれー!」という観客からの温かい声援を受け、「がんばります!」と力強く返答。 そして、「GOODDAY」では、重厚なトラックに負けないパワフルな歌声を高らかに響かせていく。この曲では歌詞がとんでしまったことを正直に打ち明けつつ、それによって「緊張、解けました!」と語り、最後の曲「夢ならこのまま」へ。ファルセットを交えた伸びやかでパワフルな歌声が、広大な空間にめいっぱいに響きわたっていく。今後のさらなる躍進への期待が高まる名演だった。 ・鈴木りゅうじ with S.Dragon-Er(『17LIVE × GFEST.2024 出演オーディション』入賞者) 鈴木は、登場して早々、「俺たちに力貸してください!」「せっかく来たんだから、刻みにきました!」と力強く告げ、1曲目の「M.I.P」へ。ライブ冒頭から次々と観客をジャンプさせ、ハンズクラップとコール&レスポンスを巻き起こしていく。並々ならぬ盛り上がりを受けてどんどん人が集まってくるなか、その後も集まった観客を容赦なく巻き込み、会場の高揚感と一体感を次々と高めていく。 「ここから始める」という想いを込めた「AdditionalTime」の曲中では、「諦めないでここまで来てよかったです!」と万感の想いを語り、また、観客が高く手を上げ、みんなで一緒に"季節外れの桜"を咲かせてみせた「MAJIHARU」では、この日出会うことができた一人ひとりの観客に向けて「一期一会で終わらせたくないぜ!」と力強く叫んだ。最後に彼が放った「命をかけてここに立たせてもらいました!」という言葉の熱い余韻がいつまでも消えない。 【10/13(日)】 ・ストレイテナー 2日間の出演アーティストのなかで、特に長いキャリアを誇るストレイテナー。「Melodic Storm」「冬の太陽」「シーグラス」「KILLER TUNE」といった歴代の代表曲を次々と放ちながら、四半世紀以上の歴史を紡いできたロックバンドとしての圧巻の存在感を堂々と示していく。そのなかでも輝かしいハイライトを担ったのが、10月末にリリースされる最新アルバムに収録される2曲。そのひとつが、ホリエアツシの歌を大きくフィーチャーした「雨の明日」。豊かな包容力を誇るバンドサウンドのなかで響く、切なく美しい歌のメロディが心に深く沁み入る。もうひとつが、「COME and GO」。ロックのダイナミズムとポップな浸透力を兼ね備えた疾走感が溢れるナンバーで、今年の夏にリリースされたばかりの曲ではあるが、既に新たなライブアンセムと化していて驚いた。常に絶え間なく変化・進化を重ね続けるストレイテナー 、その最新のモードを高らかに見せつけてくれた2曲だった。 ・04 Limited Sazabys はじめにGENは、1曲目「monolith」の〈きっと間違えられないな〉以降の歌詞を替えて歌い、初出演の喜びとこのステージに懸ける熱い気概を伝えた。そして、まるでブレーキやリミッターがぶっ壊れてしまったかのような猛烈な勢いで次々と楽曲をドロップしていく。あまりにも熱烈な展開だ。MCでは、最近、群馬でライブをする機会が増えていると振り返ったGENが、「( 『GFEST.』の)GはGENのGと言っても過言ではないですからね。」と語り、会場から大歓声が起こる一幕も。その後も、高まる群馬熱を炸裂させるように猛スピードで爆走していく展開が続く。 そして終盤のMCで、GENは自身の幸福論について語った。彼曰く、幸せは自分だけのものではなくて、誰かとシェアしたり一緒につくったりするものであるという。そう語った後に届けられたのは、新たなライブアンセム「Keep going」。先のMCと相まって、〈君となら辿り着ける〉という言葉がいつも以上に深く心に響いた。何より、曲の終盤の観客の特大シンガロングがとても感動的だった。 ・go!go!vanillas 仲間のバンドたちがつないできたバトンを受け取り、大トリとしてステージに立ったgo!go!vanillas。牧達弥いわく、昨年も愛と熱意のある出演オファーを受けていたというが、そのときは残念ながら出演に至らず、今回、満を持しての初出演となった。牧は、 『GFEST.』のGには、群馬、グルメ、グッズという意味合いが込められていることを説明しつつ、「そこにgo!go!vanillasのGも入れてもらっていい?」と問いかけ、観客が大歓声で応える。そして、「音楽の街・群馬にひとつお題を出します。俺の後に続いて歌えるか?」と問いかけ、新たな代表曲「SHAKE」へ。「さぁ、俺たちとまだまだ混ざり合っていこう、群馬!」「歌えー!」と呼びかけ、牧の歌とバンドのサウンドに観客の歌声が重なり、お互いのフィーリングが混ざり合った濃厚なグルーヴが会場を満たしていく。 この曲をはじめ、この日ライブ初披露となった最新曲「Persona」や「来来来」などの最新モードを象徴する楽曲たちがどれも最高で、現在バニラズが何度目かの覚醒期に入っていることが伝わってきた。本編ラストの「アメイジングレース」では、〈『GFEST.』の未来に 群馬の未来に 僕らの未来に賭けてみよう〉と歌詞を替えて歌い、そしてアンコールで披露した爆裂ロックンロールチューン「平成ペイン」で痛快な幕締め。牧は最後に、「来年も『GFEST.』が素晴らしいフェスでありますように!」と叫びステージを去っていった。 ・前田和花(『17LIVE × GFEST.2024 出演オーディション』入賞者) 「どうぞよろしく!」と力強く挨拶をした後、1曲目「呼吸」へ。懸命にアコースティックギターをかき鳴らしながら、がなり声を交えたパワフルな声を通して切実な想いを歌い上げていく。2曲目「DREss」あたりから、少しずつ人が増え始め、なかには、会場を通り過ぎようとしていたところ、ふと足を止めてそのまま見入っている人もいた。MCパートでは、「いろいろな方の協力で(FRONTIER STAGEに)立てることが決定しました。本当にありがとうございます!」と、このステージへと導いてくれた全ての人へ丁寧に感謝の想いを伝え、その溢れ出そうな想いを胸に3曲目「今夜逃行」へ。パワフルな歌声で圧倒するだけではなく、繊細な歌声や透徹なフェイクを駆使した緩急豊かな展開をもって観客を自らの世界に深く引き込んでいく。ラストは、「NO」。まるで魂の叫びのような鮮烈なロングトーンがとても圧巻だった。 ・ALLIE(『17LIVE × GFEST.2024 出演オーディション』入賞者) 「皆さん、よかったら聴いてってくださーい。」と挨拶をした後、1曲目の「The Way」からライブをスタート。壮大なスケールを誇るトラックに乗せて、凛とした歌声を高らかに響かせていく。ALLIEの歌声は神秘的とも形容すべき眩い輝きを放っていて、その歌声は、ここではないどこかへと導かれていくような不思議な感覚を抱いた。「今日は名前だけでも覚えて帰って頂けたら嬉しいです」という謙虚な一言を挟み、2曲目「Natural Wink Killer」へ。透徹なファルセット&パワフルなロングトーンを駆使しながら、胸の内のエモーションを際限なく解き放っていく。そして、観客から温かな拍手が送られるなか、ラストの曲「Hello New Dawn」へ。ロックテイスト全開のトラックに観客の手拍子が重なり、それを推進力にするようにして熱きロックバイブスが迸る渾身の歌を送り届けていく。ステージを去る際、「ありがとうございます、最高です!」と叫んだ彼女の充実感に満ちた表情が忘れられなかった。
松本侃士