東海第2安全対策工事 26年12月、完了見通し 原電社長
日本原子力発電(原電)の村松衛社長は9日、建設中に施工不備が見つかった東海第2原発(茨城県東海村白方)の安全対策工事について、「防潮堤の補強工事の約9割が完成した」と述べ、再稼働に必要な残り約1割の工事を2026年12月までに完了できるとの見通しを示した。同県水戸市内で開かれた原子力事業者の賀詞交歓会で、報道陣の取材に応じた。 東海第2原発は18年9月に原子力規制委員会の審査に合格。原電は再稼働に必要な安全対策工事を24年9月に完了する予定だったが、23年6月に防潮堤工事の基礎部分に不備が発覚し、完了時期を26年12月に延期した。 原電は24年12月、規制委の審査会合で、基礎部分を地中に残し、周辺の地盤改良や基礎追加などで強度を確保する案について説明。詳しい設計や工事による周辺施設への影響が示されなかったため、規制委は「(対策案は)実現性の見通しが立っていない」として、具体的な審査に入らなかった。 村松社長は工期延長を決める際、「十分な審査期間を念頭に置いた」と説明。着手出来ていない一部の工事についても、期限までに完了するとの認識を示した。規制委に対しても、実現性と規制基準への適合性を「きちんと説明していく」と述べた。 このほか、防潮堤以外の貯水タンクなどの工事も「順調に進んでいる」と明かした。「原電の経営にとって非常に重要な要素」として東海第2の再稼働に改めて意欲を示した。
茨城新聞社