【海外試乗】3世代目となる新型ポルシェ カイエンの第二章はハイブリッド化されたフラッグシップから始まった
快適性と安全性を向上させた2チャンバー、2バルブ技術
シャシの特徴は、伸び側と縮み側の減衰力をそれぞれ個別に制御する2チャンバー、2バルブ技術が採用されたPASMでハンドリング性能と安全性能の向上を両立、ボディのロールが抑制されフラットライドを実現する。 またPTVプラス、エレクトリックブレーキブースター、リアアクスルステアリングなども洗練されたGTパッケージを好印象にした。 一番強烈だったのは、2.5トン以上ある重さを感じさせないパフォーマンスだ。サーキットでは、911ターボに迫る加速性能を見せ、ワインディングロードでは後輪操舵機能の効果もあり、車体の大きさがネガにならないハンドリング性能が味わえた。 ここでは積極的にV8ツインターボエンジンを使ったが、そのパンチの効いた痛快な走りに惚れ込んだ。 ハイブリッド性能も高く、バッテリーに電気が残っていれば、高速道路を100km/hぐらいで楽に巡航できる。実際にバルセロナ市内は電気のみで走りエンジンの出番はなかった。 高速道路に入っても135km/hまでEV走行ができるので深くアクセルペダルを踏み込むようなシーンがなければ、モーターしか使わない。またバッテリー残量がなくなってもチャージモードにすれば、走りながらエンジンで充電し、必要なときにまたEV走行できる。 新型カイエンのPHEVは、今回も「最新のポルシェが最良のポルシェ」だと強く感じさせる完成度であった。まるでブランニューモデルのように開発に力が入ったこのモデルは、24年には一番売れたポルシェとなることだろう。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:ポルシェジャパン)
ポルシェ カイエン 主要諸元
■ポルシェ カイエンS E-ハイブリッド クーペ主要諸元 ●全長×全幅×全高:4930×1983×1657mm ●ホイールベース:2895mm ●車両重量:2315kg ●エンジン:V6DOHCターボ+モーター ●総排気量:2995cc ●最高出力:290kW(353ps)/6500pm ●最大トルク:500Nm/1450-4500rpm ●モーター最高出力:130kW(176ps) ●モーター最大トルク:460Nm ●システム最高出力:382kw(519ps) ●システム最大トルク:750Nm ●トランスミッション:8速AT ●駆動方式:4WD ●燃料・タンク容量:プレミアム ・70L ●一充電走行距離(WLTP):71.78km ●タイヤサイズ:前255/50R20、後295/45R20 *EU準拠、スポーツクロノパッケージ装着車 ■ポルシェ カイエン ターボ E-ハイブリッド クーペ[with GTパッケージ]主要諸元 ●全長×全幅×全高:4930×1983[1995]×1664[1652]mm ●ホイールベース:2895mm ●車両重量:2670[2570]kg ●エンジン:V8DOHCツインターボ+モーター ●総排気量:3996cc ●最高出力:441W(599ps)/6800pm ●最大トルク:800Nm/2400-4500rpm ●モーター最高出力:130kW(176ps) ●モーター最大トルク:460Nm ●システム最高出力:544kw(739ps) ●システム最大トルク:950Nm ●トランスミッション:8速AT ●駆動方式:4WD ●燃料・タンク容量:プレミアム ・70L ●一充電走行距離(WLTP):70-73[71-72]8km ●タイヤサイズ:前285/45R21[258/40R22]、後315/35R21[315/35R22] *EU準拠、スポーツクロノパッケージ装着車
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