“やや立ちロフト“でも狙える安心感がある『ブリヂストン 241CBアイアン』【ヘッドデータ分析で判明】
今回は『ブリヂストン 241CBアイアン』を紹介します。クラシカルな軟鉄鍛造でソールの前後を削り込むことで、芝への入りと抜けの良さを追求したアイアンです。クラブ設計家の松尾好員氏によると「飛びと狙いを両立できるアイアン」と分析しています。中空構造で飛びとやさしさを兼ね備えた『233HFアイアン』と比較してどんなゴルファーにマッチするのか検証してみた。
上から打ち込むと性能を発揮する
GD 今回は『ブリヂストン241CBアイアン』(以下、241CB)を『233HFアイアン』(以下、233HF)と比較しながら分析していただきます。『241CB』は軟鉄鍛造、『233HF』は軟鉄中空構造とヘッド構造が違います。ここを紐解いていくと2つのアイアンの違いが見えてきそうです。 松尾 『241CB』はいわゆる“一枚もの“と呼ばれる昔ながらの構造です。トップブレードが薄く、全体的に小ぶりなサイズ感と独特な打感が特徴的です。『233HF』はヘッド内部が空洞になっている中空構造が採用されています。特徴として重心を深くすることができるので、打点ブレへの強さを求めた設計にすることが可能です。
GD 構造の違いがヘッドデータにも表れていますか? 松尾 はい。重心深度を見てみると『233HF』が4.3ミリと深く、『241CB』が1.4ミリと浅くなっており、中空構造と軟鉄鍛造の特徴がデータに表れています。 さらに打点ブレへの強さを判断できるヘッドの慣性モーメントは『233HF』が2649g・㎠、『241CB』が2241g・㎠となっています。『241CB』は基準値(2600~2799g・㎠)と照らし合わせると“非常に小さい“です。 GD ミートさせることが得意なゴルファーは『241CB』、少し安心感がほしいゴルファーにとっては『233HF』がよさそうですね。他に特徴がわかるヘッドデータはありましたか? 松尾 バウンス角を比較すると相性の良いスウィングがわかります。『233HF』が3.5度とやや小さい設定なのに対して、『241CB』は7.7度と大きくなっています。 GD 『241CB』は上からダウンブローに打ち込むゴルファーと相性が良いわけですね。飛距離性能はいかがでしょうか? 松尾 飛距離に直結するのがリアルロフト角になります。『233HF』が28.0度、『241CB』は32.2度となっています。どちらもストロング設定ではありますが『233HF』のほうが、より飛距離に拘った飛び系アイアンと言えます。一方で『241CB』は飛びだけでなくピンを狙っていける設定にされています。 GD なるほど。『241CB』は飛距離性能もさることながら、地面のあるがままのボールを打って上げられるアイアンになっているわけですね。では『241CB』はどんなゴルファーにおすすめですか? 松尾 他にもフェースプログレッションを見ると『241CB』は4.6ミリとストレートネックに設定され、ボールに対してスクエアに構えやすい顔をしています。分析結果から踏まえると、ダウンブローでボールを飛ばしてピンを狙っていきたいゴルファーに良いでしょう。