アニメ「明治撃剣‐1874‐」を再放送、実在した歴史上の人物にオリジナル要素を組み合わせた本作の見どころに迫る
BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)にて、2024年1月から3月にかけて放送されたオリジナルアニメ「明治撃剣‐1874‐」(全10話)。7月17日(水)夜11時30分から、毎週水曜日に再放送がスタートする。そこで今回は、本作のあらすじや見どころを紹介する。 【写真】眼帯姿で不敵な笑みを浮かべる修羅神狂死郎(CV:三上哲) ■武士を辞めた車夫がポリスに…「明治撃剣‐1874‐」あらすじ 明治時代に入り武士の権力が急激に衰え、西洋の文化が流入する中、武士の心を捨てきれない者たちが、時代の荒波に揉まれながら新たな戦いを繰り広げる本作。 主人公で元会津藩士の折笠静馬(CV:中村悠一)は、かつて“会津の鬼殺し”と呼ばれたほどの剣の名手だったが、武士を辞め車夫として働きながら、行方不明の許嫁・鹿又澄江(CV:黒沢ともよ)を捜していた。 そんな折、右大臣の岩倉具視が何者かに襲撃される。偶然犯人と思しき人物を見かけた静馬は、決闘の末、見事捕えることに成功する。これを見たポリスで大警視の川路(CV:飛田展男)は静馬の腕を買い、「ポリスにならんか?」とスカウト。いまだに武士の心を捨てきれないことに気付いた静馬はこの誘いに乗り、おもに街の警邏任務にあたることになる。 一方、何か事情を抱えていそうな浮浪者・修羅神狂死郎(CV:三上哲)は、ヤクザの守屋組に取り入り、守屋組の一員として雑用などをこなしながら“ある目的”のために暗躍する――。 本作では、静馬と狂死郎の2人を軸に物語が展開していく。真っすぐな性格の静馬と闇を抱える狂死郎は一見正反対に見えるが、時には交わることも。それぞれのバックグラウンドはもちろん、迫力満点のアクションシーンは見応え抜群だ。 ■明治時代の設定にオリジナル要素を融合 本作のストーリーは、江戸時代から明治維新を経て明治時代が始まった頃が舞台となっている。これにより、作中には岩倉具視や大久保利通、板垣退助など、教科書に登場するような偉人達も描かれ、彼らが静馬や狂死郎のようなオリジナルキャラクターたちと絡んでいく“ファンタジー要素”も強い。 実在の人物が登場することでリアリティーが増す一方、“もしかしたら、こういう人物とかかわっていたのかもしれない…”など、想像を膨らませながら視聴できる点も魅力の一つと言えるだろう。 また、明治時代の日本らしい文化を随所に織り交ぜている点も注目ポイントだ。例えば人気キャラクターの雛鶴は、政府の要人からもお座敷の声がかかるほどの実力を持つ“芸者”をしている。作中にはお座敷のシーンも登場し、その煌びやかな衣装や音楽が楽しめる。 他にも狂死郎が潜入した守屋組“ヤクザ”、女性人気の高い“女剣士”など、この時代を象徴するさまざまな要素が取り入れられている。 ■個性豊かなキャラクター設定と服装にも注目 本作最大の見どころは、物語に登場する個性豊かなキャラクターにある。まず謎の浮浪者・修羅神狂死郎は、最初はヤクザの中でのし上がることが目的かのように描かれているが、実は別の目的を果たすことに“生きる意味”を見出し行動している。 狂死郎を演じた三上も、以前インタビューで「主人公の折笠静馬は広い視野で物事を見ている感じがしますが、狂死郎の場合は一点を見据えているような感じがしました。なので、演じる時も彼の“目線”というか、“何を見ているのか”ということを意識していましたね」とコメント。着流しにマフラー、インパネスコートに眼帯という、印象的な服装にも注目だ。 また作中では、イギリスの日系人ジャーナリスト・黒木せんり(CV:Lynn)も登場。日本では記者として活動しており、英国公使館のビジネスパートナーとして諜報的な活動も行っている。そんな彼女は、本作の登場人物の立ち位置から少し外れた存在で、外側から全体を俯瞰してみながら状況を把握する非常に“頭のキレる”女性キャラとなっている。 また、剣の腕を争う撃剣会で女剣士の中澤琴(CV:園崎未恵)が活躍した際も、“女がでしゃばるな”と言わんばかりの会場の雰囲気に納得がいかない様子で、時代を先どる考えを持っている。服装もモダンで現代的、ヘアスタイルもショートカットで、当時の日本人女性とはまったく異なる存在として描かれている。 他にも、表向きは芸者だが実は新政府関係の邪魔者を始末する暗殺者の顔を持つ雛鶴や、同じく新政府の要人を疎んでおり、ヤクザたちを背後で操る謎の人物・平松武兵衛(CV:山路和弘)など、それぞれ個性的なキャラクターたちが作品を盛り上げる。