「LAVENHAM(ラベンハム)」の代名詞「キルティングジャケット」の伝統と未来
「LAVENHAM(ラベンハム)」のキルティングジャケット。大人っぽい憧れのアイテムというイメージを持っている方が多いのではないだろうか。50年以上made in UKを貫くブランドの姿勢がそう感じさせているのだろう。
長年愛される定番アイテム以外にも、伝統を守りつつもモダンに進化する今のLAVENHAMというものも取材から見えてきた。今回はヒットユニオン株式会社 LAVENHAMセールスマネージャーの田﨑宏之さんにお話を伺った。
ナイロンキルトで作ったホースブランケットがブランドのルーツ
LAVENHAMが歴史あるキルティングのブランドで有名ということはよく知られているが、その始まりのところからお話しいただこう。
「1969年、イギリス・サフォーク州の、LAVENHAM村で創立されました。もともとは馬の背に掛けられるホースブランケットから事業が始まっています。
従来のホースブランケットはジュートという麻の素材が主流で、雨が降ると水を含んで重くなることや、臭いの問題などがありました。そのなかで、エリザベス2世の女官ミセス・エリエットという方が、ナイロン素材のキルティングでホースブランケットを作ったというのがLAVENHAMのルーツになっています。
乗馬が根付いているイギリスで、軽くて、麻よりも水にも強かったナイロンキルトは非常に好評だったので、その流れから同様にナイロンのキルト生地でホースラインディングジャケットを作りました。 それが1970年代初頭で、キルティングジャケットのスタートはここがルーツだといわれています。そのときにジャケットだけではなく、ジレ(ベスト)タイプのものも品揃えされました」
「CLASSICS(クラッシックス)」というシリーズ
LAVENHAMで名品と呼ばれるアイテムはいくつもあるが、現在は「CLASSICS」というシリーズに集約されている。名品であり定番中の定番アイテムについて、引き続きその歴史と共にお伺いしていこう。
「1970年代初頭当時のホースラインディングジャケットは、スポーツ着的な位置付けだったと思われ、今のラインナップとは異なりますが、現在LAVENHAMといえばこれ、とイメージされる代表的な定番アイテムと言えば、襟とパイピングがコーデュロイの『DENHAM(デンハム)』というモデルです。 このDENHAMのような現在の定番アイテムにも創業当時のホースライディングジャケットのディテールがしっかりと引き継がれています。フロントのスタッドボタンや、パッチポケットとポケット口の斜めカッティング、そして内ポケットという基本のディテールに加え、もともと乗馬用のジャケットだったので、サイドベンツになっています。