正月向けナンテン最盛期 「難転じる」縁起物に JAみなみ信州【長野県】
正月飾りに使われるナンテン(南天)の出荷が長野県の飯田下伊那地域で最盛期を迎えている。豊丘村のJAみなみ信州総合集荷販売センターが受け入れを進め、職員が1箱ずつ検品している。 飯伊は県内の主産地で、全国的にも出荷量が多い。豊作だった昨年を下回るものの、JAは今年の出荷を平年並みの3000ケース(1ケース=5キロ)と見込み、関西を中心に関東、中京へも出荷する。 4日には同センターに約600ケース(同)が運び込まれた。営農部農産課の下井郁夫さんは「生産者が短期集中の出荷に精を出し、高品質なものがでてきている」と話した。 ナンテンは緑の葉に赤い実をつけることから、古くから縁起物として好まれ、魔よけ・厄よけ・無病息災を願って栽培されてきた。名前が「災難を転じる」という意味にもなり、正月飾りとして親しまれている。軽く扱いやすいことから飯伊では中山間地の傾斜を活用した栽培が盛んで、JA管内では約220人が生産している。 今年は高温・少雨とナンテン栽培に適した気候だったことから、実がしっかりとついた高品質なものが出荷されているという。出荷は房ものから2日に始まり、13日ごろから枝ものに切り替わって20日ごろまで続く。 比較的省力で栽培でき、あいた土地の活用にもつながるとし、JAは栽培への挑戦も呼び掛けている。