内野聖陽主演『連続ドラマW ゴールドサンセット』制作決定 WOWOWで2025年放送・配信
内野聖陽が主演を務める『連続ドラマW ゴールドサンセット』が、WOWOWにて2025年に放送・配信されることが決定した。 【写真】『ブラックペアン』で佐伯教授に扮した内野聖陽 白尾悠による同名小説を実写映像化する本作は、心に傷を抱えた人々が人生を見つめ直すヒューマンドラマ。脚本・監督は、『黒い家』やNHK大河ドラマ『風林火山』、特集ドラマ『どこにもない国』と内野主演作品の脚本を担当してきた大森寿美男が務める。 心に傷を負った女子中学生・上村琴音は、怒鳴り声のような奇声を耳にする。それが隣室に住む素性の知れない初老の男・阿久津勇(内野聖陽)の声と知り、不審に思う琴音。ある日、外に出た阿久津の後を追った琴音は公園で彼を見つけ、奇声を発していた理由を知り、彼に興味を持つことで「トーラスシアター」という市民劇団に出会う。劇団の演出家・小巻沢梨子、とある老人の孫のフリをする青年・竹之内駿介、突然解雇を言い渡された独身女性・太田千鹿子、かつて受けたパワハラで心に傷がある女性・三橋芳子、ある一大決心をする年配女性・太田紀江。それぞれの悩みを抱える人々との出会いから大切な何かに気づき、自身の問題とも向き合うことになる琴音。やがて謎多き男・阿久津の探し続ける女性、そしてひた隠しにする過去が明らかになり……。 主演の内野が演じるのは、古いアパートに住む謎の老人・阿久津勇。一人大声を上げたり、どこかおかしな振る舞いで隣人の女子中学生にも不審がられる始末だが、次第にその振る舞いの理由と、彼の過去が明らかになっていき……。 また、劇中に登場する劇団「トーラスシアター」は、演出家・蜷川幸雄氏が晩年に力を注いだ、参加資格は“55歳以上”という劇団「さいたまゴールド・シアター」にインスパイアされたものとなっている。 あわせて謎の男・阿久津勇(内野聖陽)の過去が垣間見える特報映像が公開され、主演の内野、原作者の白尾、脚本・監督を務めた大森よりコメントが到着した。 内野聖陽(阿久津勇役)コメント 本作の主演が決まった時の印象と演じてみての感想 これは、シニア世代の煌めくような瞬間がオムニバスのようになった作品です。 僕に課された役は、若い頃に犯した過ちから、まさに地獄の淵から這い上がろうとしているような男。 シェイクスピアの『リア王』に自分の人生を重ね合わせ、シニア劇団で演じることで、人生の許しを乞おうとしています。非常にタフな精神のいる役だなと感じました。そして、演劇一本を立ち上げるパワーが必要な作品で、なんという挑戦的な話だろうと思いました。 人生を一度諦めているような人物で、リアを演じることでしか、外界と接点を持てなくなっているような役なので、生きたいという思いを心に秘めて、人と交わらない緊張感が大変でした。自分は生きることを許されていないと自認している男で、リアを演じ切ることで、贖罪を果たそうとしている。こういう野心作は初めてで、なかなか大変でしたね。しかし、本当の演劇のように稽古を日々重ねてくださったので、シニア劇団が本当に自分のコミュニティーのように感じられるところまでなれたのはうれしかったですね。 監督・脚本の大森寿美男との再タッグについて 原作はありますが、シナリオ化が大森さんなので、いろんなシーンの要求がはっきりしている反面、とても深いイメージに基づいて演出されるので、理想が高く、期待に応えられたかどうか。でも感動的なシーンは沢山あります。 普通のプロが毎晩演じる公演というより、役者をやめた人間が一夜限りで演じる一世一代のもので、なおかつそれが、自分の罪の贖罪になっていく、そこが難しかったところですね。 視聴者へのメッセージ さまざまなシニア世代の生き直し、再生していこうという思いが、時に切なく美しい話だと思います。 また、演劇というものの効用が改めて問い直されてもいいと思えるような話だとも思います。 白尾悠(原作者)コメント 本作の映像化が決まった時の気持ち 喜び10%、疑心90%くらいでした。一般的に映像化はまず実現しないと聞いていたので、ぬか喜びになるのが怖かったのです。監督・脚本が大森寿美男さん、主演が内野聖陽さん、製作がWOWOWさんなんて、素直に信じるには豪華過ぎます。 本作を観たご感想 素晴らしい俳優さんたちによって登場人物たちが“生きて”いる様に大興奮です! 小説にあまり登場しないキャラクター含め、皆が一筋縄ではいかない人間味に溢れていて、映画的な映像と相まって、本当に見応えのあるドラマでした。 視聴者へのメッセージ 私のように、普通の中高年たちが織りなす深い人間ドラマが観たい方、演技派俳優たちの競演が観たい方、シェイクスピアや演劇全般が好きな方、これは私達が待っていたドラマです! 少し違う展開のある原作小説と併せ、ぜひ最終回までご覧ください。 大森寿美男(脚本・監督)コメント 本作の映像化が決まった時の気持ち まず白尾悠さんの素晴らしい小説を読んで、これは他人事ではないと思いました。表現と日常の親和性のようなものが描かれていて、しかも、演劇という特殊な世界に関わる人の話でありながら、それはすべての人に当てはまることを浮き彫りにされていました。これを映像化できることに喜びを感じ、表現と共に生きる我々にとっては、その存在価値を問われたようにも思え、全身全霊をかけた作品にすることを覚悟しました。 主演の内野聖陽について ある一人の人間、一人の役者の一生を描くにあたって、幅広い年齢を演じ、奥深い人の強さや弱さを体現できるのは内野聖陽さんしかいないと即座に思いました。これまでの経験から、揺るぎない信頼をもって、シェイクスピアという高い壁にも立ち向かい、共に悩み、共に闘うことで、ようやく、この作品は成立すると思っていました。その期待以上に、内野さんは阿久津の人生を生き抜いてくれました。 視聴者へのメッセージ これは、有名な物語の世界をめぐりながらも、ささやかな日常を必死に生きる、どこにでもいる人々の物語です。内野さんだけではなく、さまざまな人が主役といえるこの物語で、それを表現するのに理想的な素晴らしいキャストに集結してもらえました。その一人一人の魅力を伝えることが、そのままテーマになると信じ、最強のスタッフと創り上げました。ご期待ください。
リアルサウンド編集部