8月の企業倒産は29カ月ぶりに減少も、年間1万件超えの可能性が続く
2024年8月の全国企業倒産
2024年8月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が723件(前年同月比4.8%減)、負債総額は1,013億7,000万円(同6.4%減)だった。 件数は、4カ月ぶりに700件台に戻して今年3番目の少なさとなった。2022年4月から前年同月を上回っていた連続記録は、歴代3番目の長さの28カ月間でストップした。なお、8月の官報掲載の法人の法的倒産は629件(前年同月比2.3%減)で今年3番目の低水準だった。 負債総額は、2カ月ぶりに前年同月を下回った。8月度としては3年連続で1,000億円を超えたが、負債1億円未満が550件で8割近く(構成比76.0%)を占めた。倒産は依然として、小・零細企業を中心に推移している。
産業別では、運輸業(前年同月比32.4%減)、建設業(同22.9%減)、製造業(同11.2%減)など、5産業で前年同月を下回った。
今後の見通し
8月の企業倒産は700件台にとどまった。しかし、物価高や最低賃金を含む人件費上昇など、コストアップ圧力は強まっている。さらに、金融機関の貸出金利の上昇が現実味を帯びる。 秋口以降、企業の資金需要は活発になる時期を迎える。過剰債務などコロナ禍の負荷を抱えた企業を中心に、企業倒産は増減を繰り返しながら増勢をたどるとみられる。