漫画『クロスオーバーレブ』劇中車のモデルとなったダイハツ「オプティ・ビークス」…オーナーは「東北660」に欠かせない存在でした
珍しい車種でレースを存分に楽しむ!
ドライバーとしてレースを楽しむだけではなく、表彰式はプレゼンテーターとしての顔も持つ。ふたつの立場で長らく軽自動車レース「東北660シリーズ」に関わり続け、今やイベントに欠かせない存在といえるのが舟山 康選手です。長年レースを支えるキーマンを紹介します。 【画像】珍しいクルマを本格チューン! 漫画にも登場する「オプティ・ビークス」を見る(10枚)
さまざまな車種を愛する根っからのクルマ好き
始まりは2018年に知人のHA23型スズキ「アルト」を借り、東北660選手権にエントリーしたことだった。峠の走り屋からスタートしJAF公認レースも経験しているだけに、初参戦ながらシリーズランキングで2位と上々の成績を残す。その後もしばらくレンタル車両で走り続けていたが、2022年からは愛機ダイハツ「オプティ・ビークス」に変更し、カテゴリーも東北660ターボGPへスイッチした。 軽自動車に限らず根っからのクルマ好きである舟山選手は、ダイハツ「ブーンX4」やFD2型ホンダ「シビック タイプR」など、複数のスポーツモデルをTPOにより使い分けている。 しかし、一番愛着があるのはオプティ・ビークスで、仮にレースをやめたとしても手放すことはないと話す。決してメジャーなクルマではなく4ドアで車重の面でも決して有利とはいえないが、チョロQみたいなスタイルに惚れており、チューニングパーツは意外に多いという。 現在はハイフロータービンを装着した2クラス仕様となっており、トランスミッションは他のダイハツ車から流用しクロスギア化。エクステリアは純正が気に入っているので手を加えていない。また、安全性を考慮し6点式のロールケージを早々に装着した。
コペンのエンジンに載せ替えてステップアップしたい
レースは当然ながら表彰台のてっぺんに立つことを目標とするが、好きなクルマを好きにチューニングして走るだけでも楽しいとか。またクルマだけではなく時計をイジることも趣味な舟山選手は、東北660シリーズに自ら集めたG-SHOCKを提供している。不動品やパーツ取りとして買ったジャンク品を組み直し、クリーニングしたうえでなんと毎回3~4名にプレゼント。本人いわく、 「大量に持っていても自分が使う数は限られます。それなら一緒に東北660シリーズを楽しんでいる仲間で、欲しい人に使ってもらえれば私も嬉しいです」 と語り、表彰式で行う通称「舟山賞」を賭けたジャンケンは、もはや東北660シリーズの名物といっていい。ちなみに彼のオプティ・ビークスは、山口かつみさんが描く、漫画『クロスオーバーレブ!』の劇中車としても登場する。 現在は東北660ターボGPの最終戦に向け、トランスミッションの仕様変更をしているという。さらに将来の目標として同型式で構造変更がいらない「コペン」のエンジンに載せ替えたり、もっと大きなタービンに交換し1クラスへのステップアップも頭に描いているそうだ。 マシンの進化が『クロスオーバーレブ!』に反映されるかはわからないが、東北660シリーズで唯一のオプティ・ビークスとして、今後もレースやチューニングを楽しんでいく予定。舟山選手は東北660を、 「さまざまなカテゴリーがあり、旧規格やターボを含め、どんな軽自動車でも参加できるイベントです。また50万円で遊べる本格的なレースは他になく、コストパフォーマンスも最高だと思います。ドライバーの経験やクルマの仕様で細かくクラス分けされているし、定番の車種じゃなく私のようにマイナーなクルマを選ぶのもアリ。興味を持った人はぜひサーキットへ観戦に来て下さい!」 と推す。とくにターボGPはチューニングの自由度が高く、いい意味で草レースらしい草レースといえる。11月24日にエビスサーキット西コースで行われる最終戦、舟山選手の走りとオプティ・ビークスをぜひ間近で見てほしい!
佐藤 圭(SATO Kei)
【関連記事】
- 【画像】珍しいクルマを本格チューン! 漫画にも登場する「オプティ・ビークス」を見る(10枚)
- ◎軽カーだけのレース「東北660選手権」最高峰1クラスをノーマルECUで戦う秘訣は? ダイハツ「ミラ」でランキング首位の若者に聞いてきました
- ◎夫婦で参戦する軽カーレース! スズキ「アルト」でグリップ走行に挑戦するドリフター…初年度から表彰台もゲットして楽しんでます
- ◎旧規格の軽カーでレースを満喫! スズキ「アルトワークス」をメンテしながら「東北660ターボGP」で表彰台に乗るためのクルマづくりとは?
- ◎軽カーで本気レースの「東北660選手権」第3戦はチャンピオン争いで白熱の展開! 全クラスのレース模様をレポートします