三菱自の2024年4~6月期決算、東南アジアの環境悪化で減収減益 タイの回復に期待
三菱自動車が7月23日に発表した2024年4~6月期の業績は減収減益となった。黒字化した21年以降の同期は増収増益が続いていたが、東南アジアでの事業環境の悪化や販売費の増加などで失速した。ただ、「全体で見ると概ね想定内」(松岡健太郎副社長最高財務責任者)として通期の見通しは据え置いた。 4~6月期の小売り台数は19万4千台(前年は19万5千台)と横ばいだったが、業績に紐づく卸売り台数は20万8千台(同22万1千台)に減少した。前年に一部地域で法規対応に伴い出荷が拡大したことによる反動減があったほか、自動車ローンの審査厳格化などでタイの需要が低迷した。さらに競争環境の激化で米国の販売費も上昇した。営業損益で「台数」が140億円、「販売費」が94億円のマイナス要因となった。 一方、為替はプラスに作用した。タイバーツは営業減益要因になったものの、ドル円が前年に対して19円の円安となったことなどにより、「為替」はトータルで246億円の営業増益効果になった。 営業担当の中村達夫副社長は、東南アジアの中でも事業環境が厳しいタイについて「これ以上落ち込むとリーマンショック時を下回る。楽観視はできないが、なべ底状態だ」として秋以降に市場環境が回復する見通しを示した。