「便秘にズバリ効く」噂のリセットスープ《梅流し》正しく実践すればダイエットの効果も
YouTubeやTikTokで目にする、便秘にいいと噂の“梅流し”。作り方や分量などに細かな違いはあるものの、基本的な材料は大根と梅干し、それにだしをとるための昆布という3つの材料だけの手軽さから、実践者も増えている。 【画像】「便秘がない方が長生きってホント?」便秘の有無と長生きの関係を示すグラフ
“梅流し”とは?
昆布だしをベースに大根と梅干しを煮て、その汁を飲んだり具を食べたりする民間の食事療法。SNS上では便秘解消に効果があると話題に。断食後の調整食やダイエット目的で行う人も多い。 薬に頼りたくないなら“梅流し”がいい!? 加藤茶さんの妻、加藤綾菜さん(35歳)もそのひとり。“梅流し”にみそを加えたものをよく作るそうだ。 「つい食べすぎてお腹が苦しい……なんてときに、“梅流し”をリセットスープとして作っています。一日一食を“梅流し”に置き換えるだけで、断食をしなくても効果が期待できます。お腹もスッキリ、便秘も治りますし、お肌もピカピカになりますよ!」 綾菜さん流のレシピも、とてもシンプル。乾燥昆布(15g)と水(2l)を鍋に入れて火にかけ、沸騰する前に昆布を取り出し、いちょう切りにした大根(1/2本分)を加えてやわらかくなるまで煮る。火を止めてから梅干し(3個程度)をちぎって入れ、器に盛ってからみそ少量を溶かすだけだ。 別の実践者、女性Aさん(46歳)もその効果を語る。 「平日は便秘になりがちで、市販薬を飲んだりしていました。最初は特に効果を実感できなかったのですが、食べ続けていたら2週間目の早朝に一気に出て(笑)。私には効きすぎるので、今は中止しているほどです」 手に入りやすい食材で驚きの効果とは……その理由を医師に聞いた。
効果が期待できるのは食物繊維不足の便秘
「便秘にもいくつか種類があり、一般的な便秘は食生活や生活習慣が原因。日本人の大多数は、食物繊維の不足や運動不足で腸の動きが鈍くなることで起きる『弛緩性便秘』だといわれています」 と、内科医の伊藤大介先生。 植物性食品に多く含まれる食物繊維は“便のカサ”を増やしたり、腸内環境を整える働きがある。昔の日本人は食物繊維を多くとっていたが、食生活が欧米化されたことで摂取量が減り、便秘に悩む人が増えたと考えられている。 「“梅流し”は、ストレスや便意を我慢したことで起きる便秘では効果が見込めませんが、弛緩性便秘には効果が期待できるのではないでしょうか。材料に食物繊維を含む梅干しと大根を使うので、ダイエットや偏食によって食物繊維をあまりとっていない人には有効と考えられます」(伊藤先生、以下同) 大根は食物繊維をはじめ消化酵素であるジアスターゼ、プロテアーゼ、リパーゼなどを含んでいるという。 「食物繊維には2種類あり、大根は便のカサを増やす『不溶性』と、便を軟らかくする『水溶性』の両方を含んでいます。どちらの食物繊維もバランスよくとってほしいのですが、重症の便秘だと不溶性食物繊維ばかりをとると悪化するので注意しましょう。また、だしに使われる昆布には便秘改善に欠かせない水溶性食物繊維『アルギン酸』や『フコイダン』が豊富。だしをとったあとも捨てずに食べたほうがいいですよ」 加えて、昆布に含まれるマグネシウムにも、腸内の水分を集めて便を軟らかくする働きがある。 「水分が不足すると便が硬くなって便秘になりやすくなるという点からも、“梅流し”で汁まで飲むのは便秘の方にはいいのかもしれませんね」 健康的な便の水分量は70~80%。水分を含むことで便は腸内をスムーズに移動できるようになり、排出されやすくなるんだそう。