池上季実子が語る昭和の2大スターとの共演秘話、今だから話せる壮絶撮影の舞台裏、「納得はしていなかった」脱がないと注目されない時代の風潮
今年でデビュー50周年を迎える池上季実子。数多くの映画やドラマで活躍し、「イイ女」の代名詞だった彼女が、最新映画では髪を脱色し、体重を増やして田舎のおばあちゃんに大変身! その役作りへの情熱、これまで出演した名作の裏話など貴重な話を聞いた。池上季実子の「THE CHANGE」とはーー。 ■【画像】池上季実子が昭和を代表する2大スターと共演した名作 最新出演作の映画『風の奏の君へ』は、岡山県の美作を舞台に、茶葉屋を営む兄弟(杉野遥亮、山村隆太)と女流ピアニスト・里香(松下奈緒)が織りなすヒューマンドラマです。本作で池上さんは、兄弟の祖母・初枝を演じましたね。 「新しい役に挑戦したいと思っていたときに、『おばあさん役』のお話をいただき、二つ返事でお受けしたんです。撮影直前の2022年4月に新型コロナにかかってしまい、お医者さんからは“ゴールデンウィーク明けまでは絶対無理”って言われてしまったんですが、“いや、絶対出る!”って」 ーーそこまでして、池上さんを突き動かしたものは? 「正直、ストーリー自体はあまり理解していなかったの(笑)。ただ、おばあさん役を演じられるという、その一点にひかれました」 ーー今日のエレガントな池上さんとは似ても似つかないくらい、見事な老けっぷりでした。 「ありがとうございます。私も演じるからにはと思って、とことんやりました。髪の色も6回抜いてね。テレビだと白く塗ればいいけど、スクリーンとなると、そうはいかない。美容師さんにも“これ以上抜いたら、髪の毛が溶けちゃいます”って言われたくらい。75歳のおばあちゃん役だから、多少傷むのはしょうがない。傷んだところは切って伸ばせばいいんだと思って、徹底的に作り込みました」
ーーこれまでのお仕事でここまで役作りされたことはあったんですか? 「なくはなかったけど、今回が一番かな。若い頃にドラマ『四季・奈津子』(TBS系・1980年)で、原作に合わせて髪をバサッと切ったことがありました。当時、シャンプーのCMに出ていたので、スポンサーから“なんで切ったんですか!?”ってガンガン非難されましたね(笑)」