中国、民間企業活性化で景気浮揚に活路 全人代で「民間経済促進法案」を初審議
【北京=三塚聖平】中国の立法機関、全国人民代表大会(全人代)常務委員会の会議が21日、北京で始まった。中国国営新華社通信によると、民間企業の発展を促すための措置を盛り込んだ「民間経済促進法案」を初めて審議した。不動産不況を背景とした経済の低迷が続く中、民間企業を活性化させて景気浮揚につなげる狙いとみられる。 会期は25日まで。10月に公表された民間経済促進法案の制定目的には、民間企業の「発展環境を最適化」することや、「市場競争への公平な参加」を掲げた。民間企業が主要な国家プロジェクトに参加することを支援するほか、資金調達を容易にするため投融資環境を改善することも盛り込んだ。民間企業が必要とする資金や技術、データ、土地などを平等に使用することを国が保障することを明記した。 法整備の背景には、国有企業が優遇されて民業が圧迫される「国進民退」という現状がある。ここ数年、民間企業に対する統制強化でITや教育、不動産といった産業が打撃を受けた。1~11月の固定資産投資のうち、国有企業の投資は前年同期比6・1%増だったのに対し、民間投資は0・4%減だった。 来月発足するトランプ次期米政権による対中圧力の強化が見込まれる中、中国当局は国内経済の回復には民間企業が欠かせないとして、民間経済促進法の制定作業を進めているもようだ。 中国共産党と政府は今月11、12両日に開いた中央経済工作会議でも、2025年の経済政策運営の基本方針に関して同法の制定を掲げている。