「SHOGUN 将軍」尾崎英二郎、諦めずに掴んだ重要人物役 ハリウッドで旋風「新たな時代の波」
徳川家康にインスパイアされた主人公・吉井虎永を真田が演じる作品で、信長にあたる信久を演じることは「回想シーンであっても、畏れ多いほど光栄なことでした」と尾崎は振り返る。「同時に、太閤の前の天下人としての威厳や独裁的な印象、鞠子と落葉の方、2人の行く末にも影を落とす存在だったことが、その限られた場面の中で視聴者の方々に伝わらなければならない役割ですから、もの凄く大きな責任を感じました」
信久を演じるにあたり、信長の歴史資料や小説なども参考にしながら役づくりを行ったという。また、幼少期に観た黒澤明監督の『影武者』、NHK大河ドラマ「おんな太閤記」で描かれた信長像も信久役のヒントとなった。「子供心にとても鮮烈で、そこから一番好きになって惹かれた戦国武将が織田信長だったんです。もちろん、“信長その人”を演じるわけではないのですが、本番まであまり準備の間がなかった分は、もともとあった知識がとても助けになってくれました。ただし、歴史の細部までは知らなかったので、今回新たに学んで得たことのほうが大きいです」
ハリウッドに「新たな視点」を与えた製作陣
プロデューサーに名を連ねる真田を中心に、日本から招へいされた時代劇のプロたちが魂を注いだことで、「SHOGUN 将軍」では徹底的な時代考証による、誇張表現なしの日本が描かれている。 「本作のトップクリエイターであるジャスティン・マークスさんは、本作を手掛けるにあたり、これまでハリウッドの産業が正しいと信じてきた“多様性”では不十分で、日本人の眼で捉えた解釈を映し出してこそ、新たな時代に見合うものができると創意を語り、同トップのレイチェル・コンドウさんも、日本人キャストたちが作品に注ぎ込んだ才能や心に感謝してくれています」
「だからこそ、主演・製作をかねる真田広之さんと、そして国際的なプロジェクトを多数製作してきた宮川絵里子さんとの初の布陣であったにも関わらず、数年間に亘って皆が同じ方向性を目指し、『かつてない視点』を生み出すことができたのだと思います」