「SHOGUN 将軍」尾崎英二郎、諦めずに掴んだ重要人物役 ハリウッドで旋風「新たな時代の波」
戦国時代といえば、武将たちがしのぎを削る合戦など男性陣のエピソードが語れる傾向にあるが、尾崎は「本作では吉井虎永や、石堂和成(石田三成にインスパイアされた武将)や配下の者たちの懐の読み合いや野心だけでなく、理不尽な時代の習わしや掟の中で強く生き抜く戸田鞠子や落葉の方、宇佐見藤など女性たちの掘り下げ方が際立っています」と強調する。 「また、数多くのキャラクターたちが登場するにも関わらず『人名紹介のテロップ』に頼ることが一切なく、誰がどのような地位や役職で、どうお互いが絡み合っていくかがセリフの中にしっかりと織り込まれ、観ている側に伝わるように書かれています。セリフの7割が日本語となる本作でそれを可能にしたアメリカの方々の執筆力と、入念に英語から日本語、さらに時代劇の言葉への変換を成し遂げた北米と日本の翻訳担当の方々には舌を巻く思いです」
一切の妥協なし!衣装&美術&視覚効果の造り込みに脱帽
「SHOGUN 将軍」の撮影は、全編を通してカナダのロケ地とスタジオ内のセットで行われた。尾崎曰く、そのスケールは驚くべきものであり、予算も計り知れないという。「おそらく僕がこれまで携わったどの映画やドラマシリーズよりも、大きな製作費が投じられています」 登場人物の衣装も徹底的にこだわり、デザイナーのカルロス・ロザリオは2,300点もの作品を本作のためにデザインしている。もちろん、尾崎が演じた信久の衣装も細部まで緻密に制作された。「嬉しかったのは第6話のわずかな回想シーンのための黒田の衣装が、単に“城主や君主らしい”ものであることに留まらず、ちゃんと織田信長についての下調べがされており、そのイメージが着物の色に反映されていたんです。黒田の着物の内側の襦袢(じゅばん)と帯は、不敵にも派手な金色でした。まるで安土城の最上階の内外の装飾や金箔瓦の如くです」
「細心の準備や工夫が、一瞬のショットに生きています」と各部門のスタッフの手腕を絶賛する尾崎。美術デザインのヘレン・ジャーヴィス率いるチームが築き上げた城のセットに足を踏み入れた時も、「そのスケールやリアルな質感にも感動しました」そうだが、完成品を観た時にもさらなる驚きがあった。