宇治抹茶に海外から注文殺到 高額転売みかねて販売制限も 大量購入に茶屋困惑
海外で抹茶の人気が高まり、産地でも品薄になっています。特に京都の「宇治抹茶」は訪日外国人客が次々に買い求め、高額転売される事態も起き、販売制限に踏み切る企業が出始めています。 【画像】抹茶狂乱 海外からの大量注文「このままでは在庫枯渇する」
■「全部の種類15缶」注文も 茶屋は困惑
宇治抹茶を100%使用したスイーツや飲み物が人気の店「IPPUKU&MATCHA 日本橋店」には、連日多くの外国人観光客が訪れます。 アメリカからの観光客 「抹茶大好きです。アメリカでもとても人気があります」 台湾からの観光客 「台湾では宇治抹茶がとても人気です」 IPPUKU&MATCHA ブランドディレクター 小手川由佳さん 「(Q.最近の売れ行きは?)今年に入ってから海外のお客様がかなり増えまして、たくさん売れております」 海外からの注目度が高まっている日本の抹茶。特に人気の宇治抹茶の産地・京都では、ある異変が起きていました。 お茶のかんばやし 上林亮一郎取締役 「平均で一日150パックは詰めているんですけど、それでも追い付かない」 製造作業に追われていたのは、創業400年以上の茶屋を営む15代目の上林さんです。 ここ数年、外国人観光客が押し寄せ、今年の抹茶の売り上げは去年の4倍まで膨れ上がりました。 店舗だけでなくインターネット販売にも、海外からの注文が殺到。商売として、このうえない状況ですが、常識を超える数の注文が押し寄せているというのです。さらに…。 上林取締役 「例えばこういう注文が来たり。全部(の種類)15缶とか」 「こんな感じで、うちの抹茶ですけど…」 「うちの商品が海外のサイトで、倍の値段で売られている」 宇治抹茶の転売が相次ぎ、中にはおよそ5000円の商品が9000円以上で売られているケースもありました。 上林取締役 「このまま制限をかけなかったら、年明けには在庫が枯渇するので、販売制限をかけました」
■DMで「何百キロほしい」 農家も困惑
大量の注文は、農家にも…。 海外からの注文メール 「こんにちは。私は1カ月500キロ、年間で6000キロの抹茶を供給してくれるパートナーを探しています」 細井農園 細井堅太さん 「DM(ダイレクトメッセージ)が海外からいっぱいくる。何十キロ、何百キロとか到底無理な注文がくる」 細井さんの農園では、宇治抹茶の茶葉の年間生産量は1600キロほど。国内外からの需要の高まりで、去年よりも3割近く価格が高騰しています。 細井さん 「(客が茶葉を)取り合ってブームでとりあえず売るぞみたいな感じだと、そのうちまた(価格が)落ちていくんじゃないか。ちょっと危機感を抱いている」 (「グッド!モーニング」2024年12月11放送分より)
テレビ朝日