会見を行ったWBA世界バンタム級王者の堤（撮影・野上伸悟）

　プロボクシングWBA世界バンタム級王者の堤聖也（28＝角海老宝石）が、世界王座奪取のご褒美に時価数百万円とも言われる“ビンテージ・ジャケットの王様”の購入を宣言した。 　13日に東京・有明アリーナで前王者の井上拓真（28＝大橋）に判定勝ちして新王者になった堤は15日、東京ドームホテルで会見に臨み「世界チャンピオンになったので、本物のリーバイスの506XX（ダブルエックス）を1着ちゃんと持っておくべきだと思っています」と明かした。 　同製品は1936年にリーバイスが初めて発売した「Gジャン」のモデルで、愛好家の間ではビンテージ・ジャケットの王様と呼ばれている。 　高校時代から「アメカジ」（アメリカン・カジュアル）を愛好している堤は「値段は知らないけど、ふつうに数百万、3桁はいくと思う。カネうんぬんじゃない」と、ふだん着でも本物にこだわる。 　井上戦は気迫の連打で終始攻め手を緩めず下馬評を覆した。「やる前から1ラウンドから12ラウンド目のつもりで戦おうと思っていた。そうやって戦わないと駄目だと思っていたので。それを体現できた。最初から最後のつもりで全ラウンド全力で戦い抜きました」と2日前の激闘を振り返った。 　次戦で中谷との統一戦が計画されていた井上を破ったことで、堤の次戦が注目される。中谷との統一戦については「（中谷の）強さは知っているし、スパーリングもかなりやって（自分が）やられています。勝率は0％に近いかもしれないけど、スパーはスパー、試合は試合。流れがきたら断ることはない」。一方でアマチュア時代の敗戦から13年越しのリベンジを果たした井上との再戦については「やりたくないですね」とポツリともらした。【首藤正徳】