シン・ゴジラ「立体商標」認める 第4形態、知財高裁
映画「シン・ゴジラ」に登場するゴジラの「第4形態」について、知財高裁(宮坂昌利裁判長)は8日までに、「立体商標」と認めなかった特許庁の審決を取り消した。製作・配給元「東宝」の主張を認めた。10月30日付。 企業は自社の商品を他社のものと区別するため、文字や絵などの平面のデザインに限らず立体も商標登録できる。登録には、消費者側がその商品の立体的形状を見ただけで他の商品との違いが分かることが要件となる。 知財高裁判決は、「シン・ゴジラ」の劇場公開前から、とげ状のひれが首から尾まで並び、全身が岩肌のような陰影を醸し出すなどの特徴は、過去のシリーズ作品に登場するゴジラの形状をほぼ踏襲していると指摘。「消費者に広く認識され、他の恐竜や想像上の動物と区別できる」と判断した。 東宝は2020年9月、フィギュアなどに使う目的で、「第4形態」の形状を立体商標として出願。特許庁は登録を認めず、同社の不服審判請求を受けた今年3月の審決でも「恐竜や想像上の動物をかたどった形状の一類型に過ぎない」と退けた。