輪島屋外に露店再び 「朝市カムバック」、マリンタウンに34店
●「会話が力に」元気な声響く 3連休初日の14日、能登半島地震で被害を受けた輪島市で「輪島朝市カムバックイベント」が開かれ、大規模火災に見舞われた朝市通り近くのマリンタウン特設会場に輪島市朝市組合の加盟店など34店舗が出店した。地震以来、輪島の屋外で露店が連なるのは初めてで、オレンジ色のテントが並ぶ中、おばちゃんたちが「買(こ)うてってー」と元気な声を響かせた。 朝市のにぎわいを再現し、復興の機運を盛り上げようと、市と組合が企画した。地元客や観光客らが、なじみの店で海産物や野菜、輪島塗の漆器などを次々と買い求めた。飲食スペースも設けられ、来場者は購入した干物をコンロであぶり、早速味わった。 東京から妻と観光で訪れた会社員武田博さん(54)は「買い物をすることで朝市が元気になるとうれしい」と話した。輪島市鳳至町の吉浦京子さん(66)は、15日に帰省する長男のためにアジやハチメの干物を買い込み「朝市の魚が一番や、息子も楽しみにしとる」と笑顔を見せた。 ステージでは輪島・和太鼓虎之介や輪島高洲太鼓、輪島キリコ太鼓保存会のメンバーが力強いばちさばきを披露し、「ほくりくアイドル部」も熱いライブで会場を盛り上げた。 ステージイベントに先立ち、冨水長毅(とみずながたけ)組合長は「買い物を楽しんでもらうのはもちろん、なじみのお客さんとの会話が私たちの力となり、復興への励みとなる」とあいさつ。坂口茂市長は「復旧復興の道のりは長いが、地震前より豊かで魅力的で安心して暮らせるまちづくりへ一緒に頑張ろう」と呼び掛けた。 輪島朝市は3月から全国で「出張輪島朝市」を展開するほか、7月からは輪島市宅田町の商業施設「パワーシティ輪島ワイプラザ」で営業を続けている。