「病は気から」「お天気も気から」? BGMで異なる体感温度 冷房代0円の暑さ対策
小川のせせらぎ・滝や波の音 ヒーリングや体感温度を下げる効果
小川のせせらぎ・滝や波の音などは、実際に現地を訪れて視覚・聴覚・触覚・嗅覚などを駆使して体感するのが最も理想的です。ただ、屋内でもビジュアルインパクトのある大画面で見ると、ヒーリングや体感温度を下げる効果が期待できそうです。 この先も、天気はすっきりせず、大気の状態が不安定な日が多くなる予想です。常に最新の天気予報や道路情報を確認しながら柔軟な行動計画をたてるようにして下さい。
楽曲の「調性」でも変わる? 体感温度
多くの西洋音楽を中心とした楽曲には調性があります。作曲者はそれに意味を持たせ、曲名に表示しているものもあります。ハ長調やニ長調などの「長調dur」、イ短調やホ短調などの「短調moll」がそれです。ですから、合唱などで高音部を歌えないからキーを下げる、調性を変えて歌うことは、作曲者の意図を変えてしまうことにもなりかねません。 ハ長調は、「#」や「♭」が1つも無い「長調」の代表格です。とてもポピュラーな楽曲としては、ベートーヴェン作曲の交響曲第5番【運命】の第4楽章がまず挙げられそうです。明るく分かりやすく、圧倒的なスケール感や壮大さがあり、元気が出る楽曲でもあります。 ヘンデルの【水上の音楽】は、テムズ川で王が舟遊びをする際のBGMとして作曲されました。第2組曲にあるメジャーな「アラ・ホーンパイプ」ニ長調は、「#」が2つの調性で、トランペットが活躍する華やかな響きがあり、祝賀ムードに満ちています。 短調でも、「#」や「♭」が1つも無い調性であるイ短調があります。【スコットランド】の愛称で知られる、メンデルスゾーン作曲の交響曲第3番です。第1楽章は、哀愁を帯びながらも流麗な旋律が続きます。悲劇的な感情はやがて昇華してロマンティックな情動につながることもありそうです。 音楽には人の心を揺さぶる力があります。その一方、人の身体は身長・体重・顔など千差万別。救急車のサイレンや緊急地震速報のアラート音を聞いて安らぎを感じる人はまずいないと思いますが、受け手によって身体が共振する音楽は異なるでしょう。様々な調性の異なる楽曲を聴き比べて、体感温度が下がる自分好みの曲を探してみては如何でしょうか?
日本気象協会 北陸支店 河原 毅