「柳井さんのカリスマによるトップダウンとは真逆のところにある」元執行役員が明かすユニクロ"最大の強み"
■「特定の人に頼らない仕組みをつくる」最大の強み 特定の人に頼らない仕組みをつくって、事業を回す。それがユニクロの最大の強みであり、柳井さんが長年かけて取り組んできたことなのです。 側に仕えてしみじみ思うのは、柳井さんは本当に天才的な創業経営者で、右脳・直感・商売人としての嗅覚に優れた人だということです。ある日突然「バングラとニューヨークはつながっているんです!」と言われて面食らい、その後、真意・本質を聞いてなるほどと納得したような経験はたくさんあります。 その卓越した閃き・ビジョンを言語化・形式知化し、経営としての実行に移し、成果を出していくためには、組織としての仕組みがMUSTでその必要性を誰よりも認識されていたのが柳井さんなのです。 後ほど詳しい話をしますが、経営者として若いころから経営理念や経営の原理原則を自らの手で多く書き溜め、自らそれを教えることをやってこられた柳井さんの経営姿勢そのものが、ユニクロにとっての仕組み化の重要性を物語っています。 ---------- 宇佐美 潤祐(うさみ・じゅんすけ) UNLOCK POTENTIAL代表取締役CEO 東京大学経済学部卒業。ハーバード大学ケネディ大学院修了(政策学修士)。アーサー・D・リトル経営大学院修了(経営学修士、首席)。 1985年に東京海上に入社。米国留学を経て、戦略コンサルティング業界へ。ボストン コンサルティング グループ(BCG)ではパートナー、組織プラクティスの日本の責任者を務め、Organization Practice Awardを受賞。その後、シグマクシスを経て、2012年から2016年の間、ファーストリテイリングの経営者育成機関FRMIC担当役員を務めた。その後アクセンチュアの人材組織変革プラクティスのジャパン全体の責任者を経て、リード・ザ・ジブンを起点にした人材組織変革を手掛けるUNLOCK POTENTIAL(「人と組織の可能性を解き放つ」の意味)を設立。デジタルトランスフォーメーションにともなう人材組織変革、経営者人材育成、経営チーム変革、組織風土変革、新規事業創出等のコンサルティングおよび研修・講演を行なっている。 ----------
UNLOCK POTENTIAL代表取締役CEO 宇佐美 潤祐