日本の動画コンテンツ市場、どう勝ち抜くか(3)Netflix
アメリカ・カリフォルニア州に本社を置くNetflixは2015年9月に、日本でサービスを開始した。配信する動画コンテンツは映画やドラマに特化。直木賞受賞作の「花火」のドラマ化や永井豪原作のアニメなど、日本で制作したオリジナル動画コンテンツの配信にも力を入れる。コンシューマー&コーポレートPRディレクターの松尾崇氏(48)は、「日本の会員数は非常に伸びている。ここまでの約3年は100点満点」と手応えを語る。 【連載】日本の動画コンテンツ市場、どう勝ち抜くか
映画とドラマにフォーカス
──世界、そして日本でのビジネスの現状はいかがですか。 松尾 2018年6月末の時点で、世界190か国でサービスを提供しており、会員数は約1億3000万人です。日本の現在の会員数は非公表ですが、非常に伸びています。特に、この1年の伸びはすごいものがありました。 ──2015年に進出するまで、日本市場をどう見ていましたか。 松尾 日本での展開には、自信がありました。当社は、映画とドラマに特化した動画配信サービスですが、日本ほど、映画やドラマを愛する国はないからです。それも、日本のドラマや映画だけではなく、さまざまな国で作られた動画コンテンツが見られています。日本の方々は、多趣味で嗜好が広く、エンターテインメントに理解があるのは間違いない、と見ていました。また、ブロードバンド化によってオンラインストリーミングで動画を楽しむ環境が整っていましたし、多くの方々がスマホなどのデバイスを持っていました。実際に日本に進出してみたところ、期待以上に推移しています。100点満点です。 ── 好調さの要因は何でしょうか。 松尾 顧客満足度を向上させるため、オリジナル作品も含めて、動画コンテンツの数を拡大し続けた点があげられます。顧客の皆さんは、それぞれさまざまな趣味趣向をお持ちですので、すべてのニーズに応えるのは難しい面もあります。それでも、恋愛やサスペンスなどできるだけ幅広い種類を揃えて期待に応えたい、と考えています。 ──今後、ニュースやスポーツ中継にも進出する予定はありませんか。 松尾 映画とドラマという、一番得意な分野にフォーカスするのが当社の戦略であり、ニュースやスポーツは特に予定していません。