「まさか2億円とは」 8度目の最高値マグロ仕留めた竹内正弘さん(青森・大間町)
5日に行われた東京・豊洲市場での初競りで、2億700万円の最高値を付けた「一番マグロ」を仕留めたのは青森県大間町の竹内正弘さん(73)。マグロ漁師歴25年で、2年ぶり8回目の栄誉に輝いた。自宅で報道陣の取材に応じ「一番を取りたくても取れない漁船が大間だけでも100隻以上いる中、8度も授けてもらえたのはありがたいこと。まさか2億円が付くとは。夢みたいだ」とほほ笑んだ。 竹内さんは年始の漁に狙いを定め、3日朝に大間漁協所属のマグロはえ縄漁船「第56新栄丸」(19トン)に乗り込み出漁。大間東方の海域から津軽海峡に移動しながら「黒いダイヤ」を狙った。大間漁協所属の船のほか、北海道の船も漁場にひしめき「思うように場所を選べない状況」だったが、4日午前8時ごろ、約60本の仕掛けから276キロの大物を釣り上げた。 大間の海を知るベテランは「マグロを見れば重さは大体分かる。頭は小さく尾が太い良い魚で、これは(初競りの一番マグロで)勝負になりそうだと感じた」。 5日午前6時ごろ、競り落とした仲買人から連絡をもらった竹内さん。2023年に自身が出荷した一番マグロ(3604万円)の6倍近い値が付いたことに「驚いた」と率直に語りながら「70歳を過ぎてあと何年漁ができるか不安はあるが、一番はやっぱりうれしい」と喜んだ。 大間漁協の小鷹勝敏組合長によると、同漁協は初競りに、例年の倍以上となる127本のマグロを出荷した。小鷹組合長は「14年連続の最高値は、大間の漁師たちの努力のたまもの」と強調。大阪など関西の消費者にも大間産マグロを味わってもらえることを期待し「『大間まぐろ』のブランドをさらに発信していきたい」と話した。