40代で「事実婚関係」を解消したのですが、年金分割で揉めています。事実婚でも「離婚時の年金分割」は可能なのでしょうか? 法律婚との違いや注意点を解説
事実婚夫婦の年金分割について
事実婚の場合は、国民年金第3号被保険者(被扶養配偶者)であった期間に限定して、離婚時の年金分割が認められています。そのため、事実婚期間中に国民年金第3号被保険者期間がない事実婚夫婦は、離婚時の年金分割を請求できません。 また、年金分割の手続きにおいても、法律婚では婚姻関係を戸籍謄本などで証明可能ですが、事実婚の場合は住民票などの事実婚関係を証明する書類が必要となります。
事実婚から法律婚、法律婚から事実婚にした時の注意点
事実婚解消による年金分割の請求期限は、法律婚と同様に事実婚関係の解消から2年以内となります。 また、事実婚関係で子どもができたなどの理由から法律婚をし、その後離婚した場合は、離婚成立から2年以内であれば、法律婚と事実婚期間の第3号被保険者であった期間も合わせて年金分割の請求ができます。 一方で、法律婚から事実婚に移行し(離婚成立後も引き続き事実婚関係にある)、その後に事実婚も解消した場合、法律婚期間と事実婚期間の年金分割は別々に請求する必要があります。 したがって、法律婚については事実婚関係が解消しているか否かにかかわらず、離婚成立から2年以内に年金分割の請求をする必要があります。事実婚関係が継続していれば言い出しにくいかもしれませんが、期限が過ぎると請求できなくなるので注意してください。
まとめ
事実婚夫婦の年金分割は法律婚の場合と違い、国民年金第3号被保険者期間に限定して分割が認められているので、共働きなどで第3号被保険者期間がない事実婚夫婦は年金分割を請求できません。また、戸籍謄本などで婚姻関係の証明ができないため、事実婚やその期間を証明する書類などが必要となります。 事実婚を解消する場合は、まずは年金事務所で分割できる対象期間の有無、分割請求に必要な書類について相談をしてみてはいかがでしょうか。 出典 内閣府 男女共同参画局 令和3年度人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査報告書 日本年金機構 離婚時の年金分割 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部