「新入社員が成長する」デキる先輩の“伝え方” 行き違いやトラブルを防ぐための3つの方法
また、会議といっても3人程度の少人数で行うものもあれば、30人くらい集まる大きな会議もあります。当然、参加人数によって会場の大きさも変わります。会議に参加したことがない新入社員に会議室の予約を頼むのであれば、それを説明する必要があります。 たんに日時を伝えるのではなく、参加人数や目的、どんなことを話し合うかを伝えたうえで、予約してほしい部屋のサイズや条件を指定する必要があるのです。面倒かもしれませんが、一度ていねいに説明すれば、以降は「前回と同じ会議室の予約をお願いね」ですみます。
なんだか当たり前のことのように聞こえますが、私たちはつい相手の受けとり方や知識、経験値、物事に対する考え方のクセなど、そもそも「前提」が自分と違うことを忘れてしまいがちです。 ここで例示したような行き違いがよく起こるのは、多くの場合、前提が異なっていることが原因です。とくに、仕事ができる方はつい、「これくらいできて当然だろう」と考えることが多いため、このワナにはまりがちです。 言葉の受けとり方は人それぞれ。だから指示や説明する際は相手が映像としてイメージできるくらい具体性を持たせるか、実際に目の前でやってみる。
これを日常的に実践すれば、相手に「できた!」という小さな経験値が積み上がっていきます。1つひとつは小さいことですが、時間が経つとそれが大きな自信に変わり、自ら行動してくれるようになるのです。 ■②「言葉の定義」を共有し、認識のズレを埋める ここまで、行き違いやトラブルを防ぐために「完成図」を共有しましょうとお伝えしました。実は、これらを防ぐための方法があと2つあります。 それは、「言葉の定義」と「手順」を確認することです。
ファイル棚が散らかっていたので、新入社員に「ファイル、整理しておいてね」と言ったら、パソコン内の共有フォルダを整理していた、ということが起こったとします。 そのときは、「この子は何をやっているんだ!」とイライラするかもしれませんが、これは実はあなたの伝え方が悪かったのです。 なぜなら、相手が想定外の行動をしてしまうのは、多くの場合、自分と相手のなかの「言葉の定義」が違っていることが原因だからです。その違いを確認せず、たんに「ファイル、整理しておいてね」と言ったために認識のズレが起こり、想定と違う行動につながったわけです。