輪島でAIバス運行 仮設住宅から病院、買い物へ
輪島市で1日、人工知能(AI)を活用して住民の要望に応じて走るオンデマンドバス「のらんけ+(プラス)」の運行が始まった。予約時に住民が乗り降りするバス停を選ぶと、AIが自動的に最適なルートを提案し、自宅や仮設住宅から病院や買い物などに行くことができる。閉じこもりがちになる仮設住宅の住民が気軽に外出することも促す。 輪島市ではコミュニティーバスが5路線を定時運行していたが、住民の避難や仮設住宅への入居により、従来のバス停では利用しにくくなった。オンデマンドバスは仮設住宅などの近くで乗降できるようコミュニティーバスよりも多い91カ所のバス停を設定した。運行エリアも広げた。 バスは13人乗りと10人乗りの2台で、運行は平日の午前8時~午後4時。当面は無料となる。スマホアプリか電話で1時間前までに予約すると、バスが迎えにくる。来年1月末までの実証運行とし、その後は本格運行を検討する。 1日、道の駅輪島「ふらっと訪夢」で出発式が行われ、坂口茂市長が「以前のバスよりも便利にしたい」と強調し、運行に協力する次世代型交通システム推進協議会(金沢市)の武田幸男代表幹事もあいさつした。玉岡了英市議会議長が祝辞を述べた。 バスに乗車した脊口秀子さん(76)は「これまで買い物に行く時は息子に車の運転を頼んでいた。便利になる」と話した。