地方創生へ「新型交付金」創設で最終調整…使途の自由度高く「買い物難民解消」「闇バイト問題」も想定
政府は、石破首相の重視する地方創生の推進強化に向け、使途の自由度が高い「新型交付金」を創設する方向で最終調整に入った。月内にまとめる総合経済対策に盛り込む。首相が本部長を務める「新しい地方経済・生活環境創生本部」は8日、首相官邸で初会合を開き、地方創生の基本構想を策定する方針などを確認した。 【表】地方創生促進に向けた新たな施策
新型交付金は、岸田内閣時代に作られた「デジタル田園都市国家構想交付金」を発展させ、利用の自由度を上げる。農業、観光業の生産性向上や高付加価値化、「買い物難民」の解消や交通サービスの維持向上など、自由なアイデアによる事業化を後押ししたい考えだ。
地方の先進的な防災対策のほか、「闇バイト」問題を受けた地方の防犯対応などへの活用も想定している。総合経済対策の財源の裏付けとなる2024年度補正予算案で、1000億円規模の計上を検討している。
首相は関係閣僚が参加した8日の「創生本部」の初会合で、地方創生の基本的な考え方を年内に取りまとめ、今後10年間で集中的に取り組む「基本構想」につなげるよう指示した。産業界などに金融機関や労働団体、報道機関を加えた「産官学金労言」で構成する有識者会議を新設し、計画的で有効な施策の推進のために助言を得る方針も確認した。
首相は効果的な取り組みによる地方創生の「再起動」を掲げており、会合で「これまでの成果と反省を生かさなくては先の展望はない。縦割り、バラマキは廃止し、各省庁連携して施策を統合化、重点化する」と訴えた。