Adobe ExpressとCanvaの違いは？ 激戦区の初心者ツールでアドビが狙う「大企業利用」
ソフトウェアやウェブアプリを開発する企業にとって、「初心者」を自社ツールにどう引き込んでいくかは常に取り組むべき命題の1つになっている。 【全画像をみる】Adobe ExpressとCanvaの違いは？ 激戦区の初心者ツールでアドビが狙う「大企業利用」 「Photoshop」や「Illustrator」を開発するクリエイティブ業界大手のアドビも例外ではない。 アドビは2021年12月からWebアプリ「Adobe Express」を提供している。同社はExpressを初心者、特にクリエイター以外の利用を想定して開発を進めている。 Expressが登場して3年弱。Expressはどのようなユーザーに、どのような使われ方をしているのか。 アドビが10月14日～16日（現地時間）にアメリカ・マイアミで開催した「Adone MAX 2024」の会場で、Adobe Expressなどのシニア バイス プレジデントを務めるGovind Balakrishnan（ゴビンド・バラクリシュナン）氏に話を聞いた。
Canva競合の「Express」その差はどこに？
初心者クリエイターにExpressでアプローチするアドビだが、大きく2つの課題が存在する。 1つ目は歴史だ。アドビの代表格・写真編集ソフトのPhotoshopは発売から34年、イラスト作成ソフトのIllustratorはリリースから37年が経過している。 それぞれの分野で長年使われているツールではあり機能も豊富だが、使いこなすにはある程度スキルが必要になる。 2つ目は競合だ。振り返ると様々なクリエイティブツールが存在するが、近年ではオーストラリアのスタートアップが開発するWebベースのデザインツール「Canva」（キャンバ）も日本を含めて人気を得ている。 ExpressもCanvaもWebベースのアプリで、豊富なテンプレートからデザインを選び、好きな写真や動画、イラスト素材等でデザインをしていくフローは類似する点がある。 実際、MAX 2024のAPACメディア向けセッションでは、オーストラリアのメディアがバラクリシュナン氏に対し、ExpressとCanvaの違いについて聞いていた。 バラクリシュナン氏が語るExpressの優位点はまとめると以下の4つだ。 長年培った創造性への深い造詣。 多彩なクリエイティブアプリとのエコシステム（連携）。 生成AI技術の保有と製品への統合ノウハウ。 他の企業とのパートナーシップ。
