横浜・美容外科で施術中に性的暴行を受けた被害女性が悲痛告白 「胸を揉まれて、口淫も強要され…」
「あのクリニックには事件の2年ほど前から月イチくらいで通っていて、気に入っていたし、信頼していたのに、まさかあんな屈辱を受けるなんて……」 【画像】ジッパーを下げられ、胸を揉まれ…被害を告白するAさんの写真 4月17日、「SBC湘南美容クリニック」横浜院に勤務していた看護師の田中尽悟容疑者(30)が、神奈川県警神奈川署に逮捕された。容疑は強制性交――施術中に個室で田中容疑者に襲われたという被害者のAさん(36・飲食店勤務)が、恐怖と屈辱の事件を振り返る。 「事件が起きたのは昨年6月。ハイフや水玉リフティングなどの肌の施術を受けている最中に、いきなりスウェットのジッパーを下げられ、胸を揉まれたんです。『やめて』『本当に無理』と抵抗したけど、『しっ!』って口を押さえられて。私が抵抗したことで逆に興奮してきたみたいで、胸を吸ってきて。さらに男性器を押し付けられて、口に入れられて……恐怖とショックが大きすぎて声をあげることすらできませんでした」 Aさんの施術を田中容疑者が担当するのは、事件の日が2回目だったという。 「1回目は昨年1月でした。担当看護師は毎回ランダムで当たる仕組みで、男性の看護師による施術自体、その時が初めてでした。仰向けに寝て目を瞑(つぶ)ったまま肌の治療をしてもらったのですが、看護師とはいえ、男性と二人きりで個室にいることに少し抵抗がありました。でもドタキャンはできなくて、そのまま施術を受けました。 終了後、田中容疑者に『LINEを聞いたら教えてくれますか?』と言われました。看護師と個人的に連絡先を交換したことは今まで一度もなく、ナンパのノリに呆れました。でも、通い慣れたクリニックで変な空気になるのが嫌だったので、仕方なく交換しました。その日の夜にさっそく『会おうよ』って誘われて、その後も『俺は歳とか気にしない』『俺はAのこと気に入っているよ』『子供扱いしないで』など、しつこくLINEが来ました。また施術で当たった時に気まずくなるのがイヤで、傷つけないよう適当に流しました」 Aさんは「田中容疑者の″異常行動″を拒絶できなかった理由はもう一つある」と言う。 「田中容疑者が『以前ストーカー行為をして警察に連れて行かれたことがある』と言っていたのです。私はシングルマザーで子供がいます。カルテを見れば住所もわかる。無下(むげ)に断って逆上させたら、私や子供に危害を加えるんじゃないかと不安で仕方なかった。だから、3月に一度だけ居酒屋で食事をしたんです。その時にしつこくホテルに誘われて、もちろん断わり、いよいよ『この人はやばい』と思うようになり、その日のうちに田中容疑者のLINEをブロックしました。襲われたあの日も、抵抗したら刺されたりしないかとか、逆恨みされて子供に被害が及ばないかとか、そんなことばかり考えていました」 田中容疑者の逆恨みを恐れて、Aさんは事件が起きてから約2ヵ月間、警察に相談することもできずにいた。 「LINEはブロックしましたが、急にクリニックに行かなくなったら何かされるのではないかと通い続けるなかで、担当してくれた女性看護師から田中容疑者が退職すると聞いた。昨年8月下旬のことです。今しかないと思って女性看護師に相談すると、涙を流しながら『この話を上の者に報告してもいいですか』と言ってくれました。それでやっと戦う決心がつきました。その日のうちに神奈川警察署まで行って、被害届を出しました」 だが――湘南美容クリニックの対応は同社がHPで掲げる「先客後利」とはほど遠いものだった。 「施術中に起きた事件ですし、男性看護師と女性患者を同室にさせるというクリニックの管理体制にも問題があると考えていたので、昨年9月、私は弁護士を通じて内容証明を送り、クリニックに対して損害賠償を求めようとしたんです。ところが、クリニック側は私が田中容疑者と食事に行ったことや、事件後もクリニックに通っていたことを理由に、『事実認定をすることは困難』『A氏に対し法的な責任を負うか否かについても判断することは困難』と弁護士を通じて拒否してきた。『なぜ田中ではなく、ウチを訴えるのですか』とも。 私には、『どうせカネ目当てで嘘をついているでしょ』『ウチは関係ない』と言っているように聞こえました。はっきり断れなかった自分にも非があったかもしれませんが、被害者の私に寄り添ってくれなかったことに心底ガッカリしました。今後はクリニックに対し民事訴訟を起こす予定です」 田中容疑者は調べに対し、「同意があった」と容疑を否認している。 患者が施術中に襲われた事実をどう考えているのか、なぜAさんの訴えに耳を傾けなかったのか。湘南美容クリニックに問うも、期日までに回答はなかった。 Aさんの心の傷が癒える時は来るだろうか――。 『FRIDAY』2024年5月10・17日号より
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