大谷をどう攻略すべきか? 球界大御所は内角攻め解禁を指南
きょう22日、マツダスタジアムで日本シリーズが開幕する。両監督の合意で予告先発が取り入れられることになり、初戦は、広島がジョンソン、日ハムは大谷翔平の先発が発表された。広島が32年ぶりの日本一を手にするために攻略せねばならないのが大谷であり、日ハムが4年前に巨人に敗れて逃した日本一を取り返すのも大谷の投打における活躍にかかっている。その意味で初戦はシリーズの行方を占う重要な試合となる。 では、大谷の攻略方法はあるのか? 広島の視点から考察してみたい。 プロ野球界の大御所、元西武、ヤクルト監督の広岡達朗氏は、「まずピッチャーとしてのリズムを崩させるためにも、打者・大谷を封じ込めること。おそらく先発では、8番の起用になるだろうが」と、まず打者・大谷の攻略に焦点を置いた。 「内角球ですよ。緒方監督が『何かあれば俺が責任を持つから』と、バッテリーに言い含めて徹底して、大谷に恐怖心を抱かせるくらいに内角を攻めること。ソフトバンクも攻めようとしていたが、どこかに遠慮があった。大谷が倒れこんで避けるほどの内角球で攻めたシーンを見たことがない。今季のレギュラーシーズンの死球は、わずか1つ。短期決戦ほど内角球の有効な使い方には効果がある。西武の監督時代、1983年の巨人との日本シリーズでは、松沼兄を開幕戦で起用したが、『私が責任をとる』と彼を説得して厳しい内角球を指令した。それで原とレジー・スミスのクリーンナップを封じ込んだことがある」 大谷は、今季、104試合、382打席立って死球はわずか「1」。しかも、それは6月8日の交流戦で先発のジョンソンが初回に「3番・DH」でスタメン出場した大谷にぶつけたものだった。この試合、ジョンソンは大谷に対して死球、四球、空振りの三振という内容。大谷は対応型で、思い切り踏み込んでくるバッティングスタイルではないので、内角球の効果の大きさはわからないが、恐怖感を抱かせ、バッティングからピッチングを崩そうというのは、面白い見方かもしれない。 だが、コース別の打率をチェックしてみると、対左投手に対しては、インサイドが強い。打てていないのは、外の高めくらい。逆に食い込んでくるような対右投手に対しては、インサイドは不得意なのだが、ジョンソンが中途半端に内角攻めにいくと、大谷の餌食となってしまう危険性もある。