甲斐獲得で巨人捕手陣の競争活性化 「捕手はグラウンドに出たら監督」阿部監督の理想体現する絶対的な司令塔
巨人は17日、ソフトバンクから国内FA宣言していた甲斐拓也捕手(32)の獲得を正式発表した。5年以上の大型複数年契約とみられ、背番号は阿部慎之助監督(45)の現役時代の「10」を継承することが決まった。球団では20年オフにDeNAから井納、梶谷を獲得して以来4年ぶりのFA補強。「絶対的な司令塔が欲しい」と獲得を熱望していた指揮官の交渉直接出馬が実り、待望の扇の要が加入する。 捕手出身の阿部監督は、捕手はグラウンドに出たら監督との考えがある。ダイヤモンドの中で唯一、他の野手と反対方向を向いて守り、投手を含めた8人が常に見える位置にいる。だからこそ強烈なリーダーシップと広い視野を求める。 今季は岸田、小林、大城卓の3捕手を併用してリーグ優勝。三者三様の良さがあり、球界屈指の層の厚さを誇るが、阿部監督の中では物足りない部分があったのだろう。だから「絶対的な司令塔が欲しい」と侍ジャパンでも経験豊富な甲斐の獲得に乗り出した。 吉村編成本部長は「捕手としての振る舞い、周りを見る目、国際大会でもキャンプテンシーをしっかり発揮して守備面でチームを引っ張ったところが一番の評価。どっしりとしたプロのキャッチャーらしいという評価」とコメントした。 甲斐の加入は成長が期待される岸田、山瀬やベテランの大城卓、小林の大きな刺激になる。競争の活性化で捕手陣全体のさらなるレベルアップが期待できる。(巨人担当キャップ・片岡 優帆)
報知新聞社